4月は、はじまりの季節。人々の出会いと別れが交錯する日々に、無心に咲き誇る桜の花は、いつの時代も、人の心を捉えて離しません。春を迎え、喜びに溢れたように咲き、また潔く散る姿に、どこか憧れを抱きながら、今年も新しいスタートを切ります。

花に誘われ、私もついつい寄り道ばかり。天気の良い日には、お花見をしたくて、うずうず。今年は友人たちと共に、お花見弁当をもって、京都御所へ。どこを切り取っても絵になるような庭園のなかに、家族連れでお弁当を広げている日常の風景がありました。夕刻、帰り道に木屋町を歩くと、艶やかな桜が浮かび上がり、夜を彩りはじめていました。

街中から離れて、山々を眺めてみると、淡い桜色がそこかしこに。各地では、春祭りの季節を迎えます。古くから、神輿に山の神様をのせて里へ下り、村々を練り歩き、春がもたらされました。山裾に波打つように咲く桜は、まるで神様がもたらす里山の春の色。人里に寄り添うように、優しく咲いていました。

平安時代にも、貴族たちの間で、桜を愛でる花見の宴が催されていました。源氏物語絵巻には、桜の咲くところへ美しい女性が現われ、主人公・光源氏や貴族たちが魅了される場面がいくつも描かれています。なかでも、「花宴」の一場面に、朧月夜の君が登場するシーンはとても幻想的です。

盛大な桜の宴の後、光源氏が想い人と会うことが叶わず、ほろ酔いで御殿を彷徨っているところへ、「朧月夜に似るものぞなき―」と口ずさみながら、美しい貴女が現われます。ふたりは互いに名も名乗らず一目で恋に落ちますが、実は政敵の娘であり、互いに道ならぬ恋に身を投じてしまいます。誰かを想う切なさと、魅入られてしまう瞬間が、桜のはかなさに投影されているようです。

花が咲き散る、短いあいだに、人は桜に想いを重ねて、めくるめく変わる花の表情に魅了されてきました。今日も、名残の桜を求めて、人々は花の下に集います。

スパークリングSAKEとして人気の発泡清酒。まるでシャンパンのような泡を含み、瓶もおしゃれなデザインなものが多いので、お花見の乾杯酒にもぴったり。甘い口当たり、低アルコールで穏やかに酔えることもあり、日本酒に抵抗がある女性には、まず最初の入り口としておススメしています。発泡清酒には、発酵によって生まれた炭酸ガスを含むものと、日本酒に炭酸ガスを注入しているものがあります。フルーティな香りとジューシーな味わいのものが多く、これもお米から造られているなんて…!信じがたい感動を味わえることも。

Page top