このお祭りは神田に「忌種(ゆだね)」と呼ぶ清浄なもみ種をまくもので、毎年4月の初めに行われています。そしてここで育った苗は、5月初旬に行われる「神田御田植初(おたうえはじめ)」で水田に植えられます。
まずは、田を耕す道具である鍬「忌鍬(ゆくわ)」を作るために、田の正面にある「忌鍬山(ゆくわやま)」と呼ばれる山に登っていきます。 そこで山の神にお祈りし、草木を刈り、鍬を作る1本の樫の木をいただく「山口祭」という祭りが行われます。
その後、鍬を作るために切り倒す木のもとで「木本祭(このもとさい)」を行い、自然に感謝しながら木を伐採して、鍬の柄を作ります。現在では「鉄の鍬(刃先)にこの木の柄を差し込む」だけとなっています。 こうして作られた鍬は、忌鍬(ゆくわ)と呼ばれています。
山でのお祭りが終わると、場所を神田前の斎場に移して、神饌(しんせん)を供え田の神をお祭りします。そして忌鍬をふりあげ三度地を打つ「所作」、古来より歌い継がれている御田歌(みたうた)を唱和しながら籾種をまく神事が行われます。
自然の恵みに感謝する日本古来の祭りが、春を告げる鳥の声に飾られながらのどかに進められていきます。
二十四節気と七十二候をその季節の旬とともに紹介します。
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和文化研究家 高月美樹さんによる
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