日本の夏至は梅雨のさなか。夏至は一年でもっとも日が永くなるときですが、夏らしさを感じないのは雨や曇りの日が多く、日照時間が案外、少ないためです。
日照不足になりがちな梅雨どきは、太陽のエネルギーをたっぷりと含んだ乾物類の食べどきといえます。わかめやひじきなどの海草類、寒天、木耳、干椎茸、高野豆腐、切り干し大根など、戸棚に眠らせている乾物類はありませんか? 保存食は、夏を越すと一気に風味が落ちてしまいます。在庫を一掃するくらいのつもりで、積極的に乾物類をとりましょう。
「梅雨寒」という季語があるように、気温は低いのですが、湿気が多いため、蒸し暑さからつい、薄着をしてしまいがちな季節です。乾物類には肌のトラブルを解消し、冷えたカラダをあたため、新陳代謝を高める効果があります。
天日干しをしたものには、太陽のエネルギーが入っています。元々、乾物類は冬の保存食として発達した伝統食です。むかしの人たちの知恵の結晶ともいえる日本の財産。カルシウムや鉄分、アミノ酸やビタミンDなど、生の食品にはない、すぐれた栄養価があります。昔の人々の深い叡智を感じながら、梅雨をのりきりましょう。