七十二候がおとずれるたび、日本の細やかな
季節の移り変わりを旬のお話とともにお届けします。

半夏が生えはじめる頃。半夏とはカラスビシャクという薬草のことで、夏の半ばに花が咲くことからこの名前になりました。また「半夏生」は雑節の一つでもあり、田植えを終え、農家が休みをとる日とされました。地方によってこの日に、お団子やタコなどを食べる習わしがあります。

  • 7月1日〜31日にかけて行われる、京都の八坂神社の祭礼です。貞観11年(869年)日本各地で疫病が流行っていました。この厄払いとして、平安京の庭園「神泉苑」に当時の国の数66に合わせ、66本の鉾を立て祇園社の祭神を祀り、神輿を送って祈ったことがはじまりとされています。

  • 1ヶ月もの長い期間をかけて行われるお祭りですが、見どころは32基の大きな山鉾が進む「山鉾巡行(やまほこじゅんこう)」と、3基の神輿が市内を回る「神輿渡御(みこしとぎょ)」です。
     

    山鉾巡行の山には、御祭神と呼ばれるその町のシンボルが飾られ、その下に車がつきます。西陣織や海外の豪華なタペストリーなどの装飾があしらわれ、高さが20〜25メートル、重さが約10〜12トンにもなる山鉾が京都の町を巡行します。17日に前祭、24日に後祭が行われます。
     

    神輿渡御の神輿には、素戔嗚尊(すさのをのみこと)、櫛稲田姫命(くしなだひめのみこと)、八柱御子神(やはしらのみこがみ)と3つの主祭神が乗ります。17日の山鉾巡行の後に八坂神社にて「神幸祭」が行われ、「ホイット、ホイット!」の掛け声と共に各コースに分かれ、市内を清めて回ります。

  • 山鉾巡行や神輿渡御の他にも、おすすめなのが「屏風祭」です。宵山と同じ14日〜16日にかけて、山鉾町の古い町家で行われます。各家では、表の格子を外して、家宝の屏風や美術品などを公開しています。一部有料のものもありますが、基本的には無料で誰でも鑑賞できます。賑やかな山鉾や神輿もいいですが、ゆっくりと静かに美術品を愉しむのもいいかもしれませんね。
     

    ※2020年は新型コロナウィルスの影響で、山鉾巡行、神輿渡御は中止になります。

※七十二候は年により変動します

illustration:みやしたゆみ

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