七十二候がおとずれるたび、日本の細やかな
季節の移り変わりを旬のお話とともにお届けします。

冷たい雪が暖かい春の雨に変わって、大地にうるおいを与えるころ。
冬の間に固くなっていた土もやわらかくなり、眠っていた生き物たちもそろそろ目を覚ましはじめます。

  • 漢字では「公魚」と書くわかさぎ。
    江戸時代、霞ヶ浦で獲れたわかさぎが年貢のひとつとして幕府に納められ、公儀御用魚とされていたことがその由来です。年中を通して漁獲されますが、もっとも多く獲れるのは冬から春先にかけて。特に産卵を控え、卵を持ったメスはとても美味とされています。

  • 厚く張り詰めた氷に穴をあけ、釣り糸をたらすわかさぎ釣り。特に、長野県の諏訪子(すわこ)、山梨県の山中湖(やまなかこ)のわかさぎ釣りは有名です。わかさぎは15cmほどの小さな魚ですが、釣り上げるまでの駆け引きを楽しみに、シーズンになるとたくさんの人で賑わいます。わかさぎ釣りにはいくつかコツがあるので、簡単にご紹介します。

    1.湖の「底」を狙う
    わかさぎは湖の底にいることが多く、なかなか移動することがないそうです。そのため、仕掛けを底まで沈めアタリを待ちます。

    2.エサを動かす
    エサを生きているかのように小刻みに動かすことも大事なポイントです。小刻みに動かして、少し待つ。また小刻みに動かして、少し待つ。この繰り返しです。

    3.置き竿は禁物
    わかさぎは止まって動かないエサにはなかなか食いつきません。また、置き竿をしているとわからない小さなアタリを逃してしまうこともあるので要注意。

  • わかさぎの一番有名な食べ方は、やはり天ぷら。釣ったものを家に持ち帰り調理するのもいいですが、その場で揚げたてを食べるのもわかさぎ釣りの醍醐味です。素材の旨味がダイレクトに伝わる塩焼きや素焼きなどもおすすめ。
    わかさぎは傷みやすいので、体が銀色に輝き、目が澄んでいるものを選ぶようにしましょう。
    他にも南蛮漬けや甘露煮、小ぶりなものは佃煮するなど、長い期間食べることができます。カルシウムがとても豊富な魚で、丸ごと食べられるのも嬉しいですね。

※七十二候は年により変動します。

illustration:みやしたゆみ

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