七十二候がおとずれるたび、日本の細やかな
季節の移り変わりを旬のお話とともにお届けします。

アヤメをはじめカキツバタやショウブなどアヤメ科の花が咲く頃。美しくきれいな紫色の花を咲かせます。アヤメは花弁に網目状の模様が見られるのが特徴です。

  • 6月30日は1年の半分の終わり、「大祓(おおはらえ)」の日です。
    この日は全国の各地の神社で、半年間に溜まった穢れや厄を祓い、残りの半年も無事に過ごせるよう祈願します。

  • 各地の神社の境内では、茅(ちがや)という草を編んでつくられた大きな「茅の輪」が置かれます。輪の中をくぐって身を清め、半年間の穢れを祓います。
     

    輪のくぐり方は、神主がお祓いの時に御幣を振る「∞の字」の動きと同じで、左回り、右回り、左回りの順に3回くぐり抜け、最後に正面に向かって進み、神殿にお参りします。さらに「茅の輪」の茅を1本抜いて輪を作り持って帰ると、厄災を避けられるともいわれています。
     

    また、島根県の出雲大社の「茅の輪くぐり」はひと味違います。参拝者は両肩に茅をかけ、神職が手に持ったU型の茅の輪を、縄跳びするようにくぐります。神楽殿の神聖な雰囲気の中で執り行われるため、少し緊張感のある「茅の輪くぐり」が体験できます。

  • この時期になると、和菓子屋さんでは「水無月(みなづき)」というお菓子が並びます。京都をはじめ関西地方では、夏越の祓の後に「水無月」を食べる習慣が残っているからです。「水無月」は三角形のういろうに小豆がのった和菓子で、小豆は邪気払い、ういろうは氷を表しています。
     

    昔から、旧暦の6月1日に氷を口にすると夏バテしないといわれており、室町時代の宮中では氷を取り寄せ、暑気払いしていました。しかし、当時の庶民の間では氷は貴重な存在で、なかなか手に入れることができませんでした。
     
    そのため、氷に似せたお菓子を食べ、暑い夏を乗り切ろうとしことが由来となり、「水無月」を食べる習慣ができました。ひんやりモチモチしたういろうの食感を味わいながら、手軽に暑気払いをしてみませんか?

※七十二候は年により変動します

illustration:みやしたゆみ

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