七十二候がおとずれるたび、日本の細やかな
季節の移り変わりを旬のお話とともにお届けします。

牡丹が咲きはじめるころ。美しく大きな花を咲かせる牡丹。中国では百花の王とされ、さまざまな逸話や美術に登場しています。日本でも多くの愛好家に好まれています。

  • 2月4日の立春から数えて八十八日目の日で、例年5月2日、閏年であれば5月1日に訪れます。さまざまな農作業の目安とされ、「夏も近づく八十八夜~」と茶摘の歌があるように、新茶の摘み取りもこの時期からとされました。

  • この時期を過ぎると、もう霜が降りなくなり、田畑への被害がなくなるという意味で「八十八夜の別れ霜」という言葉が使われました。そのため、八十八夜が田植えや種まきをはじめる目安とされたのです。
     

    また、”八十八”を組み合わせると「米」という漢字になります。お米になるまで、八十八回の手間がかかることを意味しているそう。こうした意味もあり、八十八夜は昔から大事な農作業の日として大切にされてきました。

  • 八十八夜に摘まれた新茶をいただくと、長寿や無病息災で過ごせるといわれています。これは、中国の陰陽五行の思想から。さらに新茶は、成分的にも旨味成分が多く含まれていることから、品質が高く良いものとされています。
     

    新茶をおいしく入れるコツは、温度と時間を守ること。急須に茶葉を入れ、一度沸騰してから80度程になったお湯を静かに注ぎます。急須に蓋をして、旨味がでるよう30秒程待ちます。湯呑が2個であれば、お茶の味が均一になるよう交互に少しずつ注いでいきます。最後の一滴まで入れきったらいただきます。
    縁起が良く、さわやかな味の新茶。お家でゆっくりと味わってみませんか。

※七十二候は年により変動します

illustration:みやしたゆみ

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