蓮の花が咲きはじめる頃。泥の中から茎を伸ばし花を咲かせることから、清らかに生きる象徴として、極楽浄土で咲く花といわれています。蓮の花は短命で、夜中から明け方にひっそりと咲き、3~4日で散ってしまいます。
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お世話になっている方や友人などに送る、暑さをねぎらう挨拶状。元々は、お盆のお供え物やお世話になっている方へ物を贈る習慣でした。その習慣が、明治あたりから、郵便制度の変化などもあり簡素化され、現在の姿になりました。
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暑中見舞いを送る時期には諸説あり、一般的には二十四節気の小暑から大暑の期間(例年7月7日~8月7日頃)に送るとされています。
小暑からは梅雨が明け本格的に暑さが増していくため、バテやすく体調を崩しやすい時期に相手の身体を労わります。
他には、夏の土用の期間(例年7月20日~8月7日頃)に出すとも言われています。夏の土用の時期であればほとんどの地域で梅雨が明けていますが、7月上旬にはまだ梅雨が明けていない地域も多いので、梅雨が明けた頃に届くように心がけたいところです。また、暑中見舞いをいただいたけれど、お返事をするのが8月7日以降になってしまったという場合は、「残暑暑中見舞い」として送るのが一般的です。
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暑中見舞いを書くときは、相手の方にもよりますが、かしこまりすぎず気軽に書きたいと思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は文面が少し和むような夏の言葉を、いくつかご紹介したいと思います。・太陽が眩しく、一雨ほしい毎日ですが、いかがお過ごしでしょうか。
・蝉の鳴き声が目覚まし時計になる季節がやってきました。
・ほおずきの朱と葉の緑に、夏のはじまりを感じます。
・どこからか聞こえる風鈴の音が心地のよい季節です。
・青空に俄雨、すぐに変わる空の表情と毎日にらめっこしています。このような夏の情景をあらわした言葉をひと言添えると、季節感が伝わり、より親しみやすい文面になりますね。
暑中見舞いは専用のハガキが販売されていることもあり、ハガキで送るイメージがありますが、便箋などに長い文章を書いて送っても大丈夫です。さらに、便箋やハガキにひまわりや海、風鈴の柄などが入っていると素敵な雰囲気になりますね。
メールやSNSが多い今日この頃ですが、ハガキや便箋に手書きの文字で夏のお手紙を書いてみませんか?
※七十二候は年により変動します
illustration:みやしたゆみ