七十二候がおとずれるたび、日本の細やかな
季節の移り変わりを旬のお話とともにお届けします。

菊の花が咲き始めるころ。各地で菊まつりや菊の品評会が開かれます。菊が咲くころ、青空が晴れ渡ることを菊晴れといいます。菊の花は奈良時代、中国から日本に伝わり、初めは薬草として使われていたそうです。

  • 伊勢神宮のもっとも重要な大祭で、例年10月15日〜17日に行われます。『古事記』の神話に由来し、その年に収穫した新穀と作物を天照大御神(あまてらすおおみかみ)に捧げ、その恵みに感謝します。宮中の収穫祭では、他に11月23日に行われる新嘗祭(にいなめさい)があります。

  • 神嘗祭は10月15日〜17日の3日間にわたり行われ、15日の輿玉神祭(おきたまのかみさい)から始まり、神職が神嘗祭の奉仕にかなうかどうかをお伺いする御卜(みうら)が行われます。
     

    翌日16日の夜に由貴夕大御饌(ゆきのゆうべのおおみけ)、17日朝に由貴朝大御饌(ゆきのあしたのおおみけ)が行われます。この大御饌は立派な食事という意味で、タイやアワビ、伊勢エビなどの海の幸や、レンコン、大根、柿など山の幸、神田で収穫された新米やお酒をお供えします。
     

    17日の正午、天皇陛下が遣わした勅使(ちょくし)が参向し、幣帛(へいはく)の奉納が行われます。幣帛とは、神へのお供え物のこと。同時に、宮中でも神嘗祭が行われます。
    夕方には、日本古来の音楽・舞が披露される御神楽(みかぐら)が御祭神を和めるために行われます。
     

    伊勢神宮のお祭りは、外宮先祭(げくうせんさい)といい、まず外宮からはじまり、同様の儀式が1日遅れて内宮でも行われます。

  • 宮中行事は、天皇が国と国民の安寧と繁栄を祈り、皇居で行われる年中行事のこと。神嘗祭も宮中行事のひとつです。
     

    ●祈年祭 きねんさい
    農耕の準備をはじめるにあたり、五穀豊穣を祈るお祭り。毎年2月17日に行われます。豊作を祈ることは、国民の繁栄を祈ること。別名を「としごいのまつり」ともいいますが、「とし」は稲の美称、「こい」は祈り、願いという意味になります。
     

    ●新嘗祭 にいなめさい
    毎年11月23日に行われる新嘗祭。天皇が自ら育てた新穀を奉り、恵みに感謝し、国と国民の安寧と繁栄を祈ります。そして、神さまと共にその新穀をいただきます。昔は、稲刈りが終わったあとも、新嘗祭が終わるまでは新米を食べることを慎んでいたそうです。
     

    ●大祓 おおはらい
    大祓は、6月30日と12月31日の年2回行われます。人々の罪やけがれを祓い清める神事で、宮中や各地の神社で行われます。宮中では、皇居内の神殿、神嘉殿(しんかでん)の前で、皇族をはじめ国民のためにお祓いが行われます。

※七十二候は年により変動します

illustration:みやしたゆみ

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