ぱらぱらと小雨が降りだすころ。通り雨のように雨が降ったかと思えばすぐにやみ、雲間から青空が顔を出します。初時雨は、山の動物たちが冬支度を始める合図だといわれ、これからくる冬の寒さに備えます。
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毎年10月27日〜11月9日までの2週間は「読書週間」とされ、読書を推進する期間になります。全国各地の書店や図書館などでさまざまなイベントが行われます。「読書の秋」ともいわれるように、いろんな本に触れ、ゆっくりと読書を楽しみましょう。
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1924年(大正13年)に日本図書館協会が制定しましたが、関東大震災や太平洋戦争の影響で、廃止となってしまいました。
その後、1947年(昭和22年)の戦後まもない頃に、出版社・取次会社・書店・図書館・新聞・マスコミなどの報道機関が一丸となり「読書の力によって、平和な文化国家を作ろう」という目的で、「読書週間」を再開しました。
現在では、秋だけではなく春にも「こどもの読書週間」という名前で、4月23日〜5月10日のゴールデンウィークを挟む期間に開催されています。
「読書週間」と「こどもの読書週間」はどちらも毎年、掲示用ポスターの標語が募集されます。 -
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せっかくの秋の読書週間なので、この時期にあう本を読みたいという方もいらっしゃるのではないでしょうか。この季節におすすめの本を少しだけご紹介します。
■小説「鴨川食堂」 著者:柏井壽
食欲の秋におすすめの小説。京都の鴨川沿いにある食堂を切り盛りする元刑事の父、流と看板娘のこいし。この食堂では、お客さんのもう一度食べたいという思い出の味をわずかな手がかりから作り出します。「“食”捜します。」という一行広告を頼りに、いろんな悩みや気持ちを抱えたお客さんが次々とやってくるという、お腹も心もほっこりと温かい気持ちでいっぱいになるお話です。
■絵本「パパ、お月さまとって!」 著者:エリック・カール
お月さまがきれいに見えるこの時期におすすめの絵本。
お月さまと遊びたい少女、モニカはパパにお月さまをとってとお願いします。パパはながーいハシゴを持ってきてお月さまを目指します。娘の願いを叶えたいパパと娘の美しいファンタジーのお話です。エリックカールさんの鮮やかなイラストに加え、仕掛けもあり、親子で楽しめる絵本になっています。
※七十二候は年により変動します
illustration:みやしたゆみ