七十二候がおとずれるたび、日本の細やかな
季節の移り変わりを旬のお話とともにお届けします。

もみじやつたが色づいてくるころ。葉が赤色に変わることを紅葉、銀杏のように黄色に変わることを黄葉と呼びます。さらに、秋の山が紅葉することを「山粧う(やまよそおう)」といいます。深まる秋を言い表す、美しいことばの数々です。

  • 11月の酉の日に、各地の鷲(おおとり)神社で行われるお祭り。境内は大勢の人で賑わい、開運や商売繁盛などを祈願します。おかめをつけた熊手は人気の縁起物。酉の日が二回ある年と三回ある年があり、回数ごとにそれぞれ一の酉、二の酉、三の酉と呼ばれます。

  • 酉の市は、鷲や鳥にまつわる神社で行われるお祭りです。神社では主に日本武尊(やまとたけるのみこと)が祀られています。
     

    日本武尊は東夷征伐に赴いた際、戦勝を祈願し社(やしろ)に立ち寄りました。そして戦を終え帰還し、武具である「熊手」を社の松にかけ、戦勝を祝い、お礼参りをしました。実はこの日が酉の日とされており、この日を鷲神社の例祭日としたのが酉の市のはじまりとされています。

  • 酉の市の縁起物といえば熊手。熊手には、熊手御守(かっこめ)と縁起熊手の2種類があります。
     

    ●熊手御守(くまでおまもり)
    小さな竹でできた熊手に、稲穂やお札をつけた御守り。「運をかきこむ」「福をかきこむ」という意味合いから、「かっこめ」とも呼ばれ、開運や商売繁盛などの願いが込められます。江戸時代から酉の市の御守りとして親しまれています。
     

    ●縁起熊手(えんぎくまで)
    おかめや招福飾りをつけた華やかな熊手は、酉の市を代表する縁起物です。日本武尊が当時武具であった熊手を社の松にかけ、戦勝を祝ったことが由来とされ、現在では開運、商売繁盛の縁起物として人気があります。熊手を買うときは、勢いよく手締めが打たれ、その場が活気づきます。熊手は、鷲が獲物をわしづかみする際の爪の形に似ていることから、運や福をわしづかみにするという意味合いが込められているともいわれています。

※酉の市の発祥には諸説あります
※七十二候は年により変動します

illustration:みやしたゆみ

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