七十二候がおとずれるたび、日本の細やかな
季節の移り変わりを旬のお話とともにお届けします。

長く厳しい冬を越したさなぎが羽化し、美しい蝶へと生まれ変わるころ。「菜虫」とは、大根やアブラナなどの葉につく青虫のことで、主にモンシロチョウの幼虫などをいいます。

  • 春分の日を中日に、前後3日間あわせて7日間が春のお彼岸になります。先祖の霊を供養しお墓参りなどをする仏教の行事ですが、インドや中国にはない、日本独自のならわしだそう。ぼたもちや故人の好物などをお供えし、手を合わせ祈ります。「暑さ寒さも彼岸まで」の言葉通り、冬の名残りの寒さもここまでといわれています。

  • 春のお彼岸の中日である「春分の日」は、太陽が黄経0度の春分点を通過し、真西に沈む日ため、昼と夜の長さがほぼ等しくなります。
    仏教では極楽浄土は西の彼方にあるとする「西方浄土」の考えがあり、太陽が真西に沈む春分の日に先祖の霊を供養するようになりました。お彼岸のはじまりは平安時代初期とされ、もともとは仏教の行事だったものが暦に記載されるようになり、八十八夜や入梅と同じ雑節のひとつになりました。

  • 春分の日は、国民の祝日のひとつ。「自然をたたえ、生物をいつくしむ」日とされ、毎年3月20日か21日頃になります。
    春分の日は太陽と地球の関係によって決まり、春分点を太陽が通り過ぎる時間を含む日をいいます。地球の公転は365日と「6時間」かかるので、毎年太陽が春分点を通り過ぎる時間にズレが発生します。そのため、春分の日はあらかじめ日にちが決められているわけではなく、毎年2月の第一平日に国立天文台が発行する官報で翌年の春分の日が決められているのです。

※七十二候は年により変動します

illustration:みやしたゆみ

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