七十二候がおとずれるたび、日本の細やかな
季節の移り変わりを旬のお話とともにお届けします。

少しずつ冬が深まり、あらゆる草花が枯れてゆきますが、靫草(うつぼぐさ)は芽を出し、少しずつ茎を伸ばしはじめます。「なつかれくさ」は靫草のことで、夏になると花が枯れて黒くなってしまうことからそう呼ばれます。

  • 二十四節気のひとつで、一年でもっとも昼が短く、夜が長いころ。だんだん寒さが厳しくなってきますが、この日を境に次第に日が伸びてゆくため、昔は冬至が一年のはじまりとされていました。冬至には柚子湯に入り、かぼちゃを食べるならわしがあります。

  • 冬至の日に柚子を浮かべた柚子湯に入ると「風邪を引かなくなる」といわれます。柚子を丸ごとお湯に浮かべることが多いですが、皮だけでも大丈夫。
     

    香りのいい柚子にはリラックス効果はもちろん、血行を促進する働きがあり、体が温まり風邪の予防になります。クエン酸やビタミンCが多く含まれているので、乾燥しがちな冬の肌をととのえてくれる美容効果も期待できます。寒い冬の日は、柚子湯で温まりたいですね。

  • 冬至には「ん」のつくものを食べると運気が上がるとされ、特に「南瓜」と書いて「なんきん」と読むかぼちゃは、冬至の日に食べるといいといわれています。かぼちゃの旬は本来夏ですが、長期保存ができるので冬の栄養源として大切にされてきました。中身が鮮やかな黄色で、太陽の色を連想させることから陽の力を助けるという意味もあるそうです。
    美味しいだけでなく、β-カロテンやビタミンCが豊富で、身体にも優しい冬の味方です。
     

    ちなみに、「ん」が2つつく食べ物を「冬至の七草」といい、かぼちゃ(なんきん)、れんこん、にんじん、きんかん、れんこん、かんてん、うどん(饂飩と書いて、「うんどん」と読みます)がそれにあたります。
    できるだけ毎日の献立にとりいれるようにして、元気に冬を乗りこえましょう。

※七十二候は年により変動します

illustration:みやしたゆみ

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