七十二候がおとずれるたび、日本の細やかな
季節の移り変わりを旬のお話とともにお届けします。

曇り空が多く、虹が見えなくなるころ。
日差しが弱まり、空気が乾燥するこの時期は虹が見えたとしても、ぼんやりとしていてすぐに消えてしまいます。4月の清明の末侯「虹始見(にじはじめてあらわる)」と対になる候です。

  • 神様にその年の新穀を供え、実りに感謝しお祝いする祭礼。奈良時代より続く宮廷の重要行事で、例年11月23日に行われています。今年は、天皇即位後に行われる最初の新嘗祭のため、名を「大嘗祭(だいじょうさい)」として、令和元年5月8日より一連の儀式が行われました。11月22日、23日には大嘗祭の終わりを報告する「親謁の儀(しんえつのぎ)」が行われます。

  • 新嘗祭とは、秋の収穫に感謝し、天皇がその年の新穀を神様に供え、天皇自身もともに食す儀式です。宮廷をはじめ全国の神社でも行われます。

    新嘗祭の「新」は新穀をあらわし、「嘗」は「舐める」のことで、神と人が一緒に食べ合う「新人共食(しんじんきょうしょく)」を意味しているそう。昔は、新嘗祭の儀式が終わるまで、その年の新米は食べてはいけないという慣習もありました。

  • 11月23日と聞くと「勤労感謝の日」を思い浮かべる方は多いのではないでしょうか。実は勤労感謝の日は、新嘗祭をルーツとし国民の祝日になりました。

    新嘗祭は、旧暦が使われていた時代には、11月の2回目の卯の日に行われており、日付としては固定されていませんでした。明治6年の新暦への改元の年に、11月23日へ固定されました。

    その後、昭和20年の敗戦により国家行事としての「新嘗祭」は中止され、収穫に感謝することと勤労に感謝することを目的とした「勤労感謝の日」が誕生し、現在のかたちになったのです。農業と結びつきのある日ですが、農業をはじめいろんなところで支え合って生きていることに感謝し、過ごせる日にしたいですね。

※七十二候は年により変動します

illustration:みやしたゆみ

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