七十二候がおとずれるたび、日本の細やかな
季節の移り変わりを旬のお話とともにお届けします。

凍っていた泉がとけて、水が少しずつ動き始めるころ。これから、1年でもっとも寒い季節である「大寒」がやってきますが、目には見えなくても自然界は春に向けて確実に動いています。

  • 1月8日または9日から1月11日の間、商売繁盛の神様「恵比寿様」の祭礼が各地で行われます。期間中は大勢の参拝客で賑わい、一年の商売繁盛と福徳円満を祈願します。なかでも兵庫県の西宮神社の「十日えびす」、大阪の今宮戎神社の「今宮十日戎」、福岡県の十日恵比寿神社の「正月大祭」は全国に知られています。

  • 中国から伝わった人日の節句。七草粥を食べ、今年一年の健康を願う風習がありますが、桃の節句(3月3日)や端午の節句(5月5日)など他の五節句は、縁起が良い商売繁盛の神様で七福神の一人、「えべっさん」こと恵比寿様に商売繁盛を祈願するお祭りで、主に関西を中心に行われています。
    「商売繁盛で笹持ってこい!」境内では元気よくお囃子が鳴り響き、毎年多くの参拝客で賑わいます。参拝した後は福笹を購入し、神棚に飾り毎年入れ替えると福を授かることができるといわれています。その他に「熊手」も縁起物として露店などで売られており、福や金運を集めるとして人気があります。恵比寿神社の総本山である兵庫県の西宮神社では、10日の午前6時から本殿参拝一番乗りを目指す「開門神事福男選び」が行われ、早く到着した3名がその年の「福男」になります。

  • 今宮戎神社の「今宮十日戎」は全国に知られ、毎年多くの参拝客が訪れます。1月9日の宵戎(よいえびす)、10日の本戎(ほんえびす)、11日の残り戎(のこりえびす)の3日間行われ、商都大阪にふさわしい賑わいをみせています。

    たくさんの参拝客で込み入る中を掻き分けて福笹を受け取り、福娘と呼ばれる、一般から募集された若い女性に購入した縁起物を結びつけてもらいます。また、恵比寿様は耳が遠いとされているので、今宮戎神社では、社殿の裏の羽目板を叩き、願い事を恵比寿様に伝える少し変わったならわしもみられます。

※七十二候は年により変動します

illustration:みやしたゆみ

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