七十二候がおとずれるたび、日本の細やかな
季節の移り変わりを旬のお話とともにお届けします。

あたたかくなるにつれて霜も降りなくなり、苗がすくすくと育つころ。種籾(たねもみ)が芽吹き、そろそろ田植えの準備が始まります。農家の人たちにとって、忙しくも活気に溢れる日々がはじまります。

  • 芝生のように地面を多い、春には桜に似た花を咲かせる芝桜。山の斜面や丘陵をピンク色の絨毯のように染め上げる美しい光景は、春の風物詩として多くの人に愛されています。もともとは北アメリカ東部原産の花ですが、桜が散った後に地面を覆い尽くすように咲く様子から、日本では芝桜と呼ばれるようになりました。

  • 4月の終わりから5月にかけて美しい薄紫色の花を咲かせるフジ。優雅な印象を受ける日本古来の花で、日本の伝統色である「藤色」はこの花の色にちなみ名付けられました。日当たりのいい場所を好み、公園や庭園などに藤棚を作り垂れ下がるように花を咲かせます。

  • 春の野にピンク色の花を咲かせるレンゲ。蓮(はす)の花に似ていることからこの名前が付けられました。桜が散り、藤の花が咲く頃にレンゲも咲きはじめます。レンゲの蜂蜜は有名で、クセがなく親しみやすい味は国産蜂蜜の中でも人気があります。

  • 4月中旬から咲きはじめ、GWに見頃を迎えるツツジ。赤や白、ピンクなど色鮮やかで美しいツツジは古くから栽培され、万葉集にも歌が詠まれるなど日本人にとって最も親しみのある花のひとつです。子どもの頃、ツツジの蜜を吸ったことがある方も多いかもしれませんね。

  • 4月から5月にかけて、鮮やかな黄色い花を咲かせるヤマブキ。万葉集の歌に詠まれるほど古くから親しまれる花で、「山吹」は春の季語になっています。ヤマブキという名前は、春になると黄色い花をたくさん咲かせることから、かつて「山春黄(やまはるき)」と呼ばれ、これが変化したといわれています。

※七十二候は年により変動します
※ヤマブキの名前の由来には諸説あります

illustration:みやしたゆみ

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