七十二候がおとずれるたび、日本の細やかな
季節の移り変わりを旬のお話とともにお届けします。

冬の間、土の中で眠っていた虫や冬眠していた生き物たちが目覚め、地上に出てくるころ。「啓戸」は人のように戸を開くことをイメージしています。

  • わらびやぜんまい、たらの芽や山うどなど山菜が採れる季節になりました。「春の料理には苦味を盛れ」ということわざもありますが、山菜は独特の苦味や、ビタミンが豊富に含まれていることから、眠っていた体に刺激や栄養を与え目覚めさせてくれます。

  • 古くから親しまれてきた蕗。日本全国の山野に自生しています。蕗の薹は蕗の花のことで、その花が咲いた後に、蕗(葉柄)が出てきます。
    独特の香りとほろ苦さが特徴的で、煮物や和え物などでいただきます。蕗はアクが強いため、調理する前に板ずりをしてアクを抜いてから調理しましょう。

  • 花を咲かせる前の菜の花は、食用として春の食卓に彩りを添えてくれます。炒め物やお吸い物、パスタなどいろんなジャンルの料理でいただくことができます。茹で時間を調整し、菜の花の歯ごたえを楽しみましょう。

  • 魚に春と書いて鰆。名前の通り、春が旬の出世魚です。うっすらと桜色をした身は、水分が多く柔らかい食感をしています。魚は一般的に頭が美味しいとされますが、鰆はしっぽの方が美味だそう。

  • 生きたままの素魚をポン酢や酢じょうゆで食べる「踊り食い」は春の風物詩として親しまれています。
    体が透き通っていて、光が素通りするため素魚という名前になったとか。同じ時期に獲れる、白魚(しろうお)とも似ているため、間違われることも。

※七十二候は年により変動します

illustration:みやしたゆみ

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