七十二候がおとずれるたび、日本の細やかな
季節の移り変わりを旬のお話とともにお届けします。

鷹のひなが成長して、巣立つ準備をする頃。飛び方を覚え、獲物を捕まえられるように練習をします。大人の鷹は獲物を捕まえる時に、時速80キロもの速さがでるそう。一羽でも多く元気に巣立てるよう、温かく見守ってあげたいですね。

  • 7月19日は土用入り。土用とは立春、立夏、立秋、立冬の前の18日間のことで、一年に4回おとずれます。18日間の最初の日を「土用入り」、最後の日を「土用明け」と呼びます。
    夏の土用は、丑の日にうなぎを食べるならわしがあるため、一般的によく知られています。

  • そもそも土用とは、古代中国の暦に大きく影響を与えた思想「陰陽五行説」に基づいて決められており、陰陽五行説の「木・火・土・金・水」の神を春夏秋冬に1つずつあてはめたところ、土の神が余ってしまいました。そこで、季節の変わり目の18日間が土の神の季節としてあてはめられました。これが土用のはじまりです。

  • 土用の中でも、夏の土用は「土用の丑の日」として、うなぎを食べるならわしがあります。夏バテしないようにと栄養たっぷりのうなぎを食べますが、なぜ、うなぎなのでしょうか?うなぎが広まった背景にはあるエピソードが隠れていました。

    話は江戸時代に遡ります。当時から夏の暑い季節はさっぱりしたものを食べたい人が多く、うなぎ屋さんはうなぎが売れず困っていました。そこで、江戸で有名な学者「平賀源内 ひらがげんない」に相談したところ、店頭に「本日丑の日」と張り紙をすることになりました。
    元々、この日に「う」のつくものを食べると病気にならないという言い伝えがあったため、うなぎは見事に売れました。ここから、「土用の丑の日」にはうなぎを食べるものとして全国に広まっていきました。

  • 「土用の丑の日」は食べもの以外にもならわしがあります。丑の日にお灸をすえる「土用灸 どようきゅう」や、柿の葉などの薬草のお湯に浸かる「丑湯 うしゆ」など。夏の疲れがでてきた頃に身体をいたわり、夏を乗り切るためのならわしでした。
    炎天下でのお仕事で疲れがたまっている方や、クーラーで身体が冷えてしまっている方など、「土用の丑の日」には日ごろ頑張っている身体をいたわり、メンテナンスしてあげましょう。

※七十二候は年により変動します

illustration:みやしたゆみ

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