寒い冬をあたたかい南の島で過ごしていたツバメが、海をわたって日本にやってくるころ。人家の軒下などに巣をつくり、子育てをします。ツバメの姿を見かけると、いよいよ農作業も本格的に始まります。
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4月8日のお釈迦様の誕生日を祝い各地の寺院で行われる灌仏会(かんぶつえ)。一般的には花まつりと呼ばれます。たくさんの春の花で飾られた花御堂にお釈迦様の像を祀り、参拝者は柄杓を使って甘茶をかけてお祈りします。ふるまわれた甘茶を飲むと無病息災のご利益があるといわれています。
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お釈迦様の誕生日を祝う花まつり。その歴史は古く、飛鳥時代にはじまり、『日本書紀』にもその記述がみられます。お釈迦様は紀元前5世紀ごろ北インドで生まれ、のちに仏教を開きました。お釈迦様が生まれたとき、天から九頭の龍が降りてきて頭上から甘露を注ぎ、産湯にしたといわれています。このいい伝えから、花まつりではお釈迦様の像に甘茶をかけ、お祝いするならわしが生まれました。
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花祭りでふるまわれる甘茶は、アマチャという植物の葉を煎じたもの。「甘茶を飲むと煩悩が消え長生きできる」、「甘茶をつけて赤ちゃんの頭をなでると丈夫に育つ」などのならわしがあります。他にも、甘茶で墨をすり、「千早振る卯月八日は吉日よ神さけ虫を成敗ぞする」と紙に書き、逆さまに戸口に貼ると虫よけになると信じられています。
※七十二候は年により変動します
illustration:みやしたゆみ