七十二候がおとずれるたび、日本の細やかな
季節の移り変わりを旬のお話とともにお届けします。

梅の実が熟し、黄色く色づく頃。梅干し作りには、熟してやわらかくなった梅が最適です。季節は梅雨を迎え雨の日が多くなりますが、植物はこの恵みの雨を受け生き生きと成長していきます。

  • 旧暦6月16日には、和菓子やお餅を神様にお供えし、健康招福を願いこれをいただく「嘉祥喰(かじょうぐい)」というならわしがありました。これにちなみ、現在6月16日は「和菓子の日」と呼ばれ、無病息災を祈り和菓子を楽しむ日になっています。この時期にしかいただくことのできない期間限定の和菓子もあるので、ぜひお近くの和菓子屋さんをのぞいてみてください。

  • 疫病が蔓延していた848年、仁明(にんみょう)天皇が6月16日に年号を「承和」から「嘉祥」へ改元しました。その際、16個の菓子や餅を神様にお供えし、疫病よけを祈願しました。このことにちなみ、6月16日は嘉祥の日として厄除け、招福を祈り菓子をいただく日になりました。この嘉祥の日を現代に甦らそうと、全国和菓子協会が昭和54年に制定したのが「和菓子の日」です。

  • ●水無月(みなづき)
    6月30日の「夏越の祓(なごしのはらえ)」の日、おもに京都で食べられる和菓子。ういろうにのった小豆の赤色は魔除けの意味があり、三角の形は暑気を払う氷をあらわしています。
     

    ●葛饅頭(くずまんじゅう)
    半透明でみずみずしく、見た目も涼やかな葛饅頭。つるんとした喉越しもよく、まさに日本の夏を代表する和菓子です。葛には暑い時期の体の熱を逃がし、冷えて弱っている胃腸を労わる効果があるそうです。
     

    ●心太(ところてん)
    奈良時代から食べられていたといわれる、歴史ある和菓子。原料は「天草(てんぐさ)」という海藻です。この天草を煮て、煮汁を冷やすとところてんができます。ところてんには、海のミネラルがたくさん含まれています。
     

※七十二候は年により変動します

illustration:みやしたゆみ

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