七十二候がおとずれるたび、日本の細やかな
季節の移り変わりを旬のお話とともにお届けします。

冬の間に降り積もった雪の下で、春を待つ麦がひっそりと芽吹き始めるころ。麦は食品や飲料、調味料までさまざまな製品の原料として使用されています。環境に適応する能力も高く、世界の人口の約半数の人が食料としているそうです。

  • 元日から2日の夜、もしくは2日から3日の夜にかけて見る夢を、初夢といいます。昔の人は、夢は神仏の示しであると信じ、夢の内容で吉凶を占いました。縁起のいい初夢といえば「一富士二鷹三茄子」が有名。立春が正月とされていた時代では、節分から立春にかけて見る夢が初夢とされていたそうです。

  • 「一富士二鷹三茄子」は、初夢で見ることができると縁起がいいとされているもので、富士山は日本一、鷹は強さ、茄子は成すの縁起かつぎといわれています。
     

    実は一富士二鷹三茄子には続きがあり、「四扇五煙草六座頭(しおうぎごたばころくざとう)」という言葉があります。扇は末広がりということで末代までの繁栄を、煙草は煙のように上ってゆく運勢を、毛のない座頭は「怪我ない」という語呂合わせで、家内安全を願う象徴でした。
    初夢にいい夢を見られるということで、宝船の絵を枕の下にしき寝るならわしがあります。
    この紙には「長き世のとおのねむりの皆めさめ、波のり舟の音のよきかな」という回文が書かれており、寝る前に3回唱えるといい夢が見られるというものです。もしも悪い夢を見てしまった場合は、宝船の絵を川に流すと、悪い夢も一緒に流してくれるのだそう。
    ※諸説あります。

  • 初日の出は、新年最初の日の出のこと。
    とてもおめでたいものとされ、新年の朝には初日の出を拝む習慣があります。この習慣は明治時代のころから盛んになり、初日の出を見るために見晴らしのいい場所へ出かけるようになりました。特に山頂で迎える初日の出を御来光(ごらいこう)と呼びます。
     

    ちなみに、元旦とは本来初日の出のことをいい、今では元日の朝をさす言葉として使われています。元旦の「旦」は、地平線から昇る日をあらわしています。

※七十二候は年により変動します

illustration:みやしたゆみ

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