“HUMANITY’S RETURN TO THE MOON”
アポロ計画の終了から半世紀、人類が再び月に足跡を刻む。
NASAによる月面探査プログラム「アルテミス計画」がついに始動しました。
そしてその第1弾として、2022年11月16日、月探査「アルテミス1号」のスペース・ローンチ・システム(SLS)ロケットが、直径約5mで最大4人が乗り込める「無人宇宙船 オリオン」を搭載して打ち上げられました。

当初は2018年に打ち上げ予定だったものの、溶接の不具合、エンジンの不具合、燃料漏れ、ハリケーン接近などの様々な問題から約4年間遅延を繰り返し、ようやくの出発でした。
打ち上げは見事に成功したものの、2基のブースターと4基のRS-25エンジンで、発射時約3992トンの推力を発生させた史上最大のパワーを持つSLSロケットにより発射台は大損傷し、カメラは焼け、衝撃波でエレベーターも吹き飛ばされたそう。

ですが、このパワフルで最強の巨大ロケットの完成によって、2020年代後半の月面着陸、月の軌道上に「ゲートウェイ」という月周回基地の設置、ゆくゆくは月面拠点を建設するというアルテミス計画が一歩実現に近付きました。

打ち上げ後、切り離されて月へ向かった「宇宙船 オリオン」には、じつは船員が存在していました。
船長は、アポロ13のエンジニアだったアルトゥーロ・カンポス氏にちなんで命名されたマネキンの「ムーニキン・カンポス(Moonikin Campos)」。アルテミス計画のために新しく制作された船内宇宙服を着て影響を調査しました。
そして船員は、女性の胴体部分のマネキン「ヘルガ(Helga)」と「ゾーハ(Zohar)」。
今回のアルテミス計画では、月探査計画で初めて女性の宇宙飛行士も選ばれています。女性の方が宇宙線の被ばくリスクが高いとされているため、放射線防護ベストを着せたゾーハと、着せていないヘルガとの比較も含めて調査される予定です。
最後に、宇宙服を身に付けたスヌーピーのぬいぐるみも無重力インジケーターとして乗船。NASAとスヌーピーの繋がりは古く、今回も成功のシンボルとして搭乗し、見事に大成功を収めました。

彼らを乗せたオリオンは月を2度フライバイして、月面から約128㎞の距離まで接近。
人が乗ることを想定した宇宙船で最も長い約210万㎞を飛行し、地球からは最大約43万2194㎞も離れた地点まで行くなど、新記録を樹立しました。

そして25日半かけて月を周回した後に地球へ向かい、現地時間の2022年12月11日に太平洋に着水、無事帰還を果たしました。
着陸では音速の約32倍、およそ4万㎞の速度で大気圏に突入。この時の熱は摂氏2760度と太陽の表面温度の半分にあたる熱さだったそう。そのため通信は5分半にわたって途絶えましたが、ヒートシールドがオリオンを守り、着陸は成功しました。
宇宙船オリオンの部品は一部再利用でき、燃料の消費量も想定より抑えられるなど、今後火星への有人探査ミッションも視野に入れた開発が進められています。
一時通信が途絶えたり、機器のトラブルなどもありましたが、アルテミス計画のはじまりは大きな成果を上げました。

2023年2月には、14年ぶりに日本人の宇宙飛行士が2人選出されました。
今後、日本人宇宙飛行士の1人が月周回基地「ゲートウェイ」に搭乗することも発表されています。
日本人として初めての月面着陸なるか、月探査に関わった方々がどういったコメントを残されるかなど、今からワクワクしてしまいますね。
今日は満月。夜空の月を見上げながらその時に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。
