


6月の満月
梅雨になり、しとしとと雨降りの日が多くなってきました。雨の降る夜も、月は雲の上にありますが、隠れていて見ることはできません。このことから、恋人の姿を思い浮かべるだけで、実際には会いたくても会えないことのたとえに使われます。

月暈は、月の周りにあらわれる光の輪のことで、月の光が薄い雲に反射・屈折して起こります。月が暈をかぶると、翌日は雨の場合が多いといわれています。暈の中に1つ星が入っていると1日たって雨、2つなら2日たって雨とも言い伝えられています。

日本で満月が見られる日は、地球の裏側にあるブラジルでも満月です。月は、地球の誰に対しても、同じ顔を見せてくれます。遠く離れた場所にいる誰かと、同じ月を見上げているかと思うと、それだけで心がつながっていく気がします。

日本には、盃などに月を映して飲む「月映し」という風習があります。ほぼ一定のサイクルで満ち欠けを繰り返す月は、不老不死の象徴とされています。水に映して飲み干せば、月のパワーを体の中に取り込めると先人は考えました。

月の満ち欠けが、潮の満ち引きと深く関係しているように、作物の水分にも大きな影響を与えています。日本人は昔から月のリズムに合わせた暦によって、種まきや収穫の日取りを決め、農作物を育んできました。

夏の満月は、地平線からそれほど高く上がらず、大気中の湿気などの影響を受けて、赤みがかって見えます。日本より緯度の高い英国ではさらに赤みを帯びて、「ストロベリームーン」と呼ばれています。
