


2月の満月
空を見上げればいつもそこにいて、夜道を明るく照らしてくれるお月様。いったいいつ、どのように誕生したのでしょうか。「約45億年前、生まれて間もない地球に火星大の天体が衝突し、飛び散った破片が寄り集まって、1か月後に月が誕生した」という「ジャイアント・インパクト(巨大衝突)説」が現在有力とされています。たった1か月であの巨大な月ができたなんて、驚きです。

45億年前、月が誕生した時は今よりもっと地球と月の距離が近く、地球から見た満月の面積は今の400倍ほどの大きさだったそうです。当然潮汐力も強く、海水をかきまぜ生命の誕生・進化に影響をおよぼしました。今も月は毎年3.8cmずつ遠ざかりながら、地球の自転軸の傾きを安定させ、気候や環境を穏やかに保ってくれています。月は私たち生命にとって、なくてはならない存在なのですね。

東の空が朱に染まる朝焼けのころ、淡いオレンジ色や白い色で光る月が見えます。夜明け前に月の出る旧暦26日、27日、28日頃の、暁時にゆっくりと楽しみたい月と太陽の交代劇です。「暁月夜(あかつきづくよ)」という名前もとても綺麗ですね。

輝きを取り戻した新しい月として、昔から尊ばれてきた三日月。その形から、「月の剣」や「月の眉」とも呼ばれ、たくさんの詩や物語にも詠まれる人気のある月です。イギリスには、三日月形のアイテムを身につけると、病気や災いから守ってくれるという言い伝えがあるそうです。アクセサリーやお守りにもぴったりですね。

ゴッホの『星月夜(ほしづきよ)』、ミュシャの『4つの星-月』、マグリットの『9月16日』。絵画では、出るはずのない空の月、女性を輝かせる月、木の中に浮かぶ月など、摩訶不思議な月に出会うことができます。普段親しんでいる作品や物語の中で、月がどのように登場するか、意識して見てみるのも面白いかもしれません。
