


3月の満月
春の季語として親しまれる「朧月(おぼろづき)」。春は薄い雲がかかりやすく、月がほのかにかすんで見えることがあります。これは空気が湿っているためで、翌日は雨になることが多いそうです。似た言葉に「朧月夜(おぼろづきよ・おぼろづくよ)」がありますが、朧月が出ている夜のことをさします。

月の表面にも、海や山、谷のような地形があり、それぞれ名前があります。たとえば、海には「晴れの海」「雨の海」のように天候を表す言葉、クレーターにはプラトン、アリストテレスなど、科学者や哲学者の名前が付けられています。

「月の剣」や「月の眉」とも呼ばれる三日月。この糸のように細い月の見ごろは、春になります。黄道が地平線に対して立っているので、黄道の近くにいる三日月の高度が高くて見やすく、お椀のように見えることから「春の三日月には水がたまる」といわれます。

月を大きく海と高地の2つに分けると、海には火山岩の一種の玄武岩、高地には白っぽい色の斜長岩があります。かつて大阪万博でも話題となりましたが、現在は国立科学博物館にアポロ11号と17号が持ち帰った月の石が展示されています。

月が2つ、3つ、あるいはそれ以上に見える珍しい現象があります。これを「幻月(げんげつ)」といいます。大気中の氷晶に月光がランダムに反射し、月の左右に光の強い点が現れる現象です。太陽でも同じような現象が起きるそうで、こちらは「幻日(げんじつ)」といいます。
