第4回「ここで一句!」

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「俳句、はじめました」とは?
このページでは、できるだけ今の言葉でわかりやすく、俳句の面白さや楽しみ方をご紹介していきます。日本ならではの俳句の世界に、ちょっとだけ触れてみませんか?

今回は「一句、詠んでみませんか?」というお誘いです。もちろん初めての方も大歓迎。日々の中で感じた秋を、五七五の俳句にしてみましょう。

SNSで一句!「#暦生活俳句部」

最近はテレビでも俳句がちょっとしたブームですし、季節は芸術の秋。

そこで、ツイッターやインスタグラムで、気軽に一句詠んでみませんか?
次のようなルールと流れで、ゆるくはじめてみたいと思います。

  • 「#暦生活俳句部」のハッシュタグをつけて詠む。
  • せっかくの秋なので、秋の季語が入った俳句に。
  • いったん11月15日までをめどに始めたいと思います。

【ご注意点】
・作品は「未発表・未投稿」の日本語俳句に限ります。
・俳句の内容が、第三者の権利を侵害していないことをご確認ください。
・投稿された作品はSNSやWebサイトに掲載させていただく場合があります。

宇多喜代子先生が選句・添削!

集まった句は、『俳句の日めくりカレンダー』の監修もお願いしている宇多喜代子先生に目を通していただき、いくつか選んでコメントをいただける予定です。

宇多喜代子 うだ きよこ

昭和10年、山口県生まれ。「獅林」を経て「草苑」にて桂信子に師事。現在は「草樹」会員代表。現代俳句協会特別顧問。これまでに蛇笏賞、詩歌文学館賞、現代俳句大賞、日本芸術院賞等受賞。令和元年、文化功労者に選ばれる。句集に『りらの木』『夏月集』『象』『記憶』等。著書多数。

通勤中や通学中に、はたまた秋の夜長に、ちょこっと一句、いかがですか?

まず最初におさらいです。俳句の基本的なきまりは、2つ。

1)「五・七・五」で表すこと。

五・七・五の十七音で表します。ただし、字余り、字足らずといって、文字数が多いものや足りないものもあります。
※五七五にとらわれない「自由律俳句」もあります。

2)「季語」を入れること。

季節を表わす「季語」を必ず入れます。私たちがイメージする季節と異なる場合もありますので、いつの季節の季語かわからないときは、歳時記などで調べましょう。

ここからは、秋の季語をいくつかご紹介していきます。親しみやすそうなものを選んでみました。

蜻蛉(とんぼ)
秋を知らせる赤蜻蛉のほか、いろいろな蜻蛉が目につきます。大きなオニヤンマ、小さなイトトンボなど。

秋風
秋に吹く風。吹くともなく吹く初秋の風。身に染みて感じられる深秋の風。もの思わせる風です。

コスモス
明治期に渡来したコスモス。秋桜の名で親しまれ、栽培されるほか河原や空地などにも咲き、秋のよき風景となっています。

新米
その年に収穫された米。米農家にとって収穫は喜びです。炊くと湯気に香りがこもり、なによりのご馳走になります。


夜空に浮かぶ月がもっとも美しいのが秋。「月」だけで秋の季語となっています。

この他にも、まだまだたくさんあります。

秋晴れ、秋の空、鰯雲、流星、月夜、十三夜、夜長、夜なべ、鈴虫、松虫、渡り鳥、小鳥、燕帰る、雁、秋刀魚、鮭、林檎、葡萄、栗、金柑、木の実、銀杏、紅葉、コスモス、金木犀、曼珠沙華、山粧う、刈田、案山子、運動会、文化の日、秋祭、新酒、枝豆、干し柿、栗ごはん冷ややか、爽やか、朝寒、肌寒、秋深し、行く秋、秋惜しむ、冬近し

これでも一部です。ここではとてもご紹介しきれませんが、作句のご参考にどうぞ。

1)「いつもの日常」を俳句にしよう

俳句を始めるとき、「なにか大きな感動や、特別な出来事を題材にしなきゃ」と思うのは陥りがちなパターン…。それではなかなか題材を見つけられません。

それよりも、毎日の中の小さな変化や、ちょっとした気づきに目を向けて面白がってみましょう。メモとペンを持って(スマホもいいですね)、「とりあえず書く」という気持ちで気軽に始めてみましょう。

2)「実感の持てる季語」を選ぶ

季語のなかにも「意味はわかるけど実感できない」というものがあると思います。たとえば、秋にコスモスを目にすることのない人が、コスモスを題材に秋の俳句を詠むのは難しいですよね。

そういう季語よりも、自分にとって季節を実感できる身近な季語からスタートしてみましょう。

ときには散歩がてらコスモスを見に行ってみるなど、実感を深めるような体験をしていくことも、季節の楽しみを広げてくれますよ。

3)対象をよく「観察」する

もし「何も思いつかない」というときは、句にしようとする対象をよく観察してみるのがおすすめです。観察するといっても、目で見るだけでなく、におい、手触り、味、音などの五感を意識すると、何か気づきが得られるはず。その気づきを俳句にしてみましょう。

いろいろご紹介しましたが、むずかしいことを考えずにとにかく始めてみるのが一番。一句できたら、ぜひツイッターやインスタグラムで「#暦生活俳句部」を付けて投稿してみてください。

【参考文献】
夏井いつき(2019)『夏井いつきの 俳句ことはじめ 俳句をはじめる前に聞きたい40のこと』 株式会社ナツメ社.
宇多喜代子(2020)『NHK俳句 暦と暮らす 語り継ぎたい季語と知恵』 NHK出版

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暦生活編集部

日本の季節を楽しむ暮らし「暦生活」。暮らしのなかにある、季節の行事や旬のものを学びながら、毎日お届けしています。日常の季節感を切り取る #暦生活写真部 での投稿も募集中。暦生活の輪を少しずつ広げていきたいと思います。

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