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クリスマスというと、サンタクロースがソリに乗って空を飛び、子どもたちにプレゼントを配る姿が思い浮かびます。
サンタクロースの元になったのは、4世紀ごろトルコに実在したニコラスという司教です。ニコラスはとても優しい心を持っており、貧しい人や子どもたちに食べ物やお金を分け与えていたのです。ニコラスがプレゼントを配りに来るときは、いつも赤い服を着ていました。これは司教の正式な服の色で、自分の命をも捧げる覚悟を表すといわれていました。この思いを引き継いで、サンタクロースも赤い服を着ているのです。
ある日ニコラスは、貧しさゆえに身売りをしようとした娘の家に、金貨の入った袋を投げ入れ、その一家を助けました。その時、袋が暖炉のそばに干していた靴下の中に入ったことから、クリスマスに靴下を吊り下げプレゼントを待つようになったといわれています。
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クリスマスプレゼントを贈るようになったのは、昔のヨーロッパのお祭りに、プレゼントを交換し合う習慣があったことからだといわれています。子どもにプレゼントを贈る習慣はもう少し時代が進み、サンタクロースの由来にもなったニコラスへの崇敬が広まった頃に始まりました。
昔は、子どもへプレゼントを贈る風習は、しつけの一環として利用されていました。いい子はお菓子やプレゼントをもらえるのですが、悪い子には玉ねぎやムチなど、もらってもぜんぜん嬉しくないものが用意されていたのです。今のように平等にプレゼントをもらえるようになったのは、19世紀以降のことです。
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クリスマスツリーを飾る習慣は、ドイツで始まったものだといわれています。
ドイツでは、冬でも緑の葉をつける常緑種の木の枝を、冬至の頃に家の中に飾る習慣がありました。常緑種は冬の寒さに負けない強さと生命力の象徴と考えられ、冬を乗り切るための精神的な支えになっていたのです。これがのちにクリスマスツリーになりました。
クリスマスツリーの飾りのベルは「クリスマスの喜びのおとずれ」を告げるという意味があるそうですが、元々はヨーロッパで冬至の魔除けの儀式に使われていた名残なのだとか。
Q. クリスマスイブとはいつのこと?
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クリスマスイブとは、実はクリスマスの前日という意味ではありません。イブとは夕方を意味する「イブニング」のイブ。かつての西洋では、日没から一日が始まるとされていたため、24日の夕方にはクリスマスに入っているものと考えられていました。なので、クリスマスイブとは24日の日没から深夜まで、クリスマスは24日の日没から25日の日没まで、ということになります。
クリスマスの日没は場所によって差がありますが4〜6時ごろ。今か今かと日没を待ち構えてしまいそうですね。
Q. 赤・白・緑ってなんの色?
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クリスマスシーズンになると、街中が赤色・白色・緑色などのクリスマスカラーで溢れ、とても賑やかな雰囲気になりますね。実はこの色にもそれぞれ意味があるのです。
赤色:イエスが人々を救うために流した血を表しています。また、神の愛の象徴とも。
白色:雪の色でもあり、「純潔さ」や「清められた魂」という意味が込められています。
緑色:常緑種が常に緑を絶やさないことから、「永遠の命」という意味が込められています。
Q. クリスマスのお菓子にはどんなものがある?
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日本では、丸いデコレーションケーキが主流ですが、外国にはクリスマスならではのいろんなお菓子があります。中でも有名なのが「ブッシュ・ド・ノエル」。丸太の形に飾りつけたロールケーキのことです。ヨーロッパではクリスマスの真夜中のミサが始まる前に、巨大な薪を燃やすという風習がありました。現代ではストーブやエアコンの普及により廃れてしまいましたが、その代わりにケーキとしてクリスマスをお祝いするようになったのです。
他にも、ドイツでは「シュトレン」というドライフルーツ入りのパウンドケーキが有名です。ケーキの上には、雪を表現した白い粉砂糖がふられています。イギリスでは、フルーツと香料がたっぷり入った「クリスマスプディング」を作ったりします。