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節分とは「季節を分ける」という意味で、つまりは季節が変わる日のことを指します。そのため、本来は季節の変わり目である、二十四節気の立春・立夏・立秋・立冬の前日全てが節分となります。その中でも春は新年の始まりでもあることから、室町時代以降、春の節分が重視されるようになりました。そうして、一般的な節分というと立春の前日を指すようになったのです。
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節分といえば豆まきですよね。季節の変わり目には悪いものが家に入りやすいとされており、それらを退治するために行われるようになりました。この行事は、古代中国で行われていた疫病を追い払うための「追儺(ついな)」という儀式が元になったといわれています。
退治に使うものとして「魔(ま)を滅(めっ)する」という語呂合わせから「まめ」をまくようになりました。また「まめ」という言葉には体が丈夫であるという意味もあるため、節分に使われる豆は「福豆」と呼ばれ縁起が良いものとされています。地域によっては殻付きの落花生を使うところもあります。 -
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豆まきを行うのは鬼がやってくる夜です。家の奥から玄関に向かって「鬼は外、福は内」と大きな声で唱え、勢いよく豆をまきます。大きな声や音は魔除けになるのだそう。豆をまいた後にぴしゃりと音を立てて扉を閉めるのもそのためです。
また、豆まきでは生の豆ではなく炒った豆を使います。なぜかというと、拾い損ねた豆から芽がでると「邪気が芽を出す」として縁起が悪いとされているため。外へ豆を撒いて1日経った後は、白い紙で包み、塩で清めてから捨てましょう。 -
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豆まきの他にも、鰯の頭を焼いて柊の枝で刺した「柊鰯(ひいらぎいわし)」を家の玄関などに飾る風習があります。地域によっては「焼嗅がし(やいかがし)」とも呼ばれます。これは、鬼が家に入ろうとした時に、鰯を焼いた強烈な臭いで驚かせ、柊の棘で鬼を刺し追い払うための魔除けの儀式です。鰯の代わりに葱などの臭いのきついものを、柊の代わりに串などを代用することもあります。
最近では一般の家庭で行われることは減りましたが、代わりに節分の夜に鰯を食べるという形で残っている場合もあります。 -
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恵方巻とは、節分の日にその年の神様がいるとされている方角「恵方」を向いて食べる太巻き寿司のこと。恵方は毎年変わるもので、2020年は「西南西」となっています。作法は様々ですが、包丁で切らずに丸ごと一本を無言で食べきるのが一般的です。丸ごと食べるのは、「縁を切らないように」という意味が込められており、無言で食べるのは「喋ってしまうと福が逃げてしまうから」といわれています。
恵方巻に入れる具材に決まりはありませんが、七福神にちなんで7種類入れるのが良いそう。代表的なものは鰻やかんぴょう、きゅうりや伊達巻などです。 -
Q.年齢の分だけ豆を食べるのはなぜ?
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豆まきをした後は、自分の年齢の数もしくはプラス1粒だけ豆を食べるという風習もあります。これは、無病息災と歳の数と同じだけの福を体に取り込めるように、という思いが込められています。
子どもの頃は物足りないくらいですが、年齢を重ねるとなかなか歳の数の豆を食べるというのは大変ですよね。そういった場合には、数粒の豆を入れた温かい「福茶」を飲んだり、豆ご飯を炊くなどの方法もあります。 -