書籍「草木愛しや、花の折々」
生活を楽しむヒントがたくさん詰まった本
暦生活でも連載いただいている平野恵理子さんの本『五十八歳、山の家で猫と暮らす』『草木愛しや、花の折々』をご紹介します。
八ケ岳麓の小さな家で暮らす日常から生まれたエッセイ、生活を楽しむヒントがたくさん詰まった2冊です。


『草木愛しや、花の折々』

道ばたに咲く野花から、お店に並ぶ花まで。
平野さんは幼い頃から近所や旅先で、たくさんの花に出会ってきました。そんな花の名前を教えてくれたのは、平野さんの母でした。
この本は、母直伝の植物記。
季節を表す七十二候とともに、一つずつの花がかわいらしいイラストとともに紹介されています。


特徴的なのは、どの花からも平野さんのエピソードが溢れ出てくるということ。
飲み会の帰り道に、お墓参りへ向かう電車のなかで、幼い頃に庭で見つけたもの..。
情景も重なって、花の魅力がより立体的に伝わってくるようです。
また、蓮の花を「フリルで縁取られた皿のような葉」とたとえるなど、想像が膨らむ描写も見どころ。
ページをめくるたびに、他人の日記を覗き見させてもらっているようなワクワク感が高まります。

さらに、本の装丁にも小さな「こだわり」がちりばめられています。
表紙タイトルの文字には、金色の箔押し加工。
そして、しっかりと厚みのある表紙に、うっすらと施された市松模様の凹凸は、世代を超えて長く使いたくなる安心感があります。


手のひらサイズの箱入り文庫本というのもうれしいポイント。
持ち歩いたり、家のリビングや寝室に置いてパラパラとめくったり..。
生活に寄り添う一冊になってくれそうです。


著者:平野恵理子(ひらのえりこ)さんからのコメント
暦の七十二候に合わせて、草木を72種類選びました。
そのひとつずつを文と絵で表した、極私的植物記です。
子供のころから親しんだ花、大人になってから親しむようになった木など、どの草木にも愛おしい思いを込めて書きました。
小型で函入り、一冊の本としての魅力も、手にとって実感していただけましたら幸いです。
暦生活WEBサイト 平野恵理子さんの「読み物」はこちらから
https://www.543life.com/tag/hiranoeriko/
- ページ数
- 331ページ
- 著者
- 平野恵理子
- 発行所
- 三月書房