こんにちは。気象予報士の今井明子です。
春らしい陽気に恵まれたかと思うと、一転して雨模様に。この季節は、とにかく天気がめまぐるしく変わるものです。
雨が降ると憂鬱な気分になりますが、もし日中に雨がやんで晴れあがったら、虹が見られるかもしれません。
空にカラフルな光の帯が見えると、思わず誰かに伝えたくなるほど、気分が高揚します。
でも、食い入るようにみつめていると、いつのまにか薄くなって消えてしまう…。
そんなはかなさも、虹の魅力といえますね。

さて、虹が出たとき、思わず色を数えてしまいたくなりませんか?
絵に描かれる虹は7色ですが、実際の虹は5色くらいのときもあれば、3色くらいのときもあります。
なぜ、虹によって色数が違うのでしょうか。
それは、虹を作るための水滴にヒントがあります。
そもそも、虹とは、太陽の光が空気中の水滴を通るときに、水滴の内側で反射することでできます。太陽の光は実は赤から紫までのさまざまな色が混ざることで白く見えています。しかし、それぞれの色の光は、反射するときに折れ曲がる角度が違うため、水滴の中で反射すると、さまざまな色にわかれるのです。

水滴が大きければ大きいほど色の数は増え、水滴が小さいと色の数が減ります。霧雨のような小粒の雨のあとには、白っぽい虹ができることもあります。
虹のできる場所は太陽とは反対側の方角です。
太陽の高度が低いほど丸く見え、高いと地平線近くに寝そべるような形で虹の頂上の部分だけが見えます。
だから、きれいな色や形の虹を見たいときは、大粒の雨が降った後の朝か夕方がねらい目です。朝は西の空を、夕方は東の空を見てみてください。これだけで、美しい虹の遭遇率は格段に上がるんです。

ちなみに、雨上がりでなくても見られる虹があるって知っていますか?
虹とはさかさまの、下に弧を描く環天頂(かんてんちょう)アークや、平べったい形をしている環水平(かんすいへい)アークと呼ばれる小さな虹がそれにあたります。
これらは、雨粒ではなく、空の高い位置にある氷でできた雲の粒によってできる虹です。どちらも空にうっすらと薄い雲がかかっているときに出やすいです。環天頂アークも環水平アークも、太陽の方向にできるのですが、環天頂アークは太陽よりも高い位置を、環水平アークは太陽よりも低い位置を探してみてください。ただし、くれぐれも太陽を直接目で見ないように気をつけてくださいね。


空にきれいな虹色を発見すると、なんだか幸せな気分になれます。
虹探しのコツがわかれば、空を見上げるのがもっと楽しくなるはずです。

今井明子
サイエンスライター・気象予報士
兵庫県出身、神奈川県在住。好きな季節はアウトドア・行楽シーズンまっさかりの初夏。大学時代はフィギュアスケート部に所属。鯉のいる池やレトロ建築をめぐって旅行・散歩するのが好き。
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