こんにちは。気象予報士の今井明子です。
外を歩いていると、たまに空が晴れているのになぜか雨が降って、「あれれ?」とびっくりすることがありませんか?
こういう現象は「天気雨(てんきあめ)」といわれていますが、「狐の嫁入り」という別名もあります。
なぜ、狐の嫁入りなんて呼ばれるのでしょうか。
これには諸説ありますが、天気雨がどうにも不思議な現象だったことが理由のひとつです。

昔話ではよく、狐が何かに変身したり、人に幻覚を見せたりしますよね。このように、古来狐が人間を化かすと考えられてきました。空が晴れているのに雨が降るという不思議な現象は、昔の人にとってはまるで狐に化かされたように感じたのかもしれません。
では、天気雨はなぜ起こるのでしょうか。
これにはいくつかの原因が考えられます。
まず考えられるのは、雲が雨を降らせたあと、雨粒が地上に落ちる前に雲が消えてしまったというケースです。雲の浮かんでいる高さから地上までは距離があるため、雨粒が地上に落ちるまでに時間がかかります。その間に雲が消えてしまうことも十分にありえるというわけですね。

遠くの場所で降っている雨が強い風によって流されてくるときも、天気雨になります。この場合は、風が強いので「あ、雨が流されてきたんだな」というのがわかります。
さらに、雨を降らせる雲が小さいときも、天気雨になります。通常、雨が降るときは空がどんよりとした雲に覆われますが、まれにまばらに浮かんでいる雲からも降ることはあります。空全体が雲で覆われていなければ青空はのぞくので、天気雨になるというわけです。

天気雨の降り方は、雨がパラパラパラっと軽く降るような感じで、傘は必要にならないことがほとんどです。傘が必要ではない雨は天気予報では「雨」とは予報されないレベルですし、天気雨のようにあっという間に終わる現象は、天気予報であらかじめ予想することも難しいです。だからこそ、いきなりやってきた印象が強くて、狐につままれた感じがするのではないでしょうか。

ちなみに、「狐の嫁入りは縁起が良い」という言い伝えもあります。
この理由にも諸説あるのですが、虹ができやすいからというのが理由のひとつではないでしょうか。
虹は、雨粒に太陽の光が当たることでできますから、雨が降りながらも青空がのぞいて太陽の光がさしているという状態は、虹ができやすい条件がそろっているというわけです。

ちょっとびっくりする天気雨。降られた後はぜひ、空を見上げてみてください。もしも虹が見つかったら、その日はなんだか幸せな気分になれそうです。

今井明子
サイエンスライター・気象予報士
兵庫県出身、神奈川県在住。好きな季節はアウトドア・行楽シーズンまっさかりの初夏。大学時代はフィギュアスケート部に所属。鯉のいる池やレトロ建築をめぐって旅行・散歩するのが好き。
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