こんにちは。気象予報士の今井明子です。
まだまだ寒さはピークですが、ほのかに香るロウバイの香りや光の明るさが春の訪れを感じさせると思うのは私だけでしょうか。
もう寒い日々にはこりごり。春が待ち遠しい!
そう思っても、残念ながらだんだん暖かくなって春になるわけではありません。
これからは「三寒四温」という言葉がぴったりの日々がやってきます。
つまり、「今日は分厚いコートがいらないな!」と小躍りしたくなるような暖かい日が訪れたかと思うと、再びぶるぶる震えるような寒さがぶり返す。その繰り返しで徐々に春になっていきます。
なぜ、寒い日と暖かい日が周期的に繰り返されるのでしょうか。
それは、気圧配置が変わるからです。
冬は、大陸にシベリア高気圧が居座り、東の海上に低気圧がありました。これがいわゆる「西高東低」と呼ばれる冬型の気圧配置です。
高気圧からは低気圧に向かって風が吹くため、大陸のシベリア高気圧からは東の海上の低気圧に向かって、ずっと冷たくて乾燥した空気が吹き出していました。これが冬の冷たい北よりの風や、日本海側の豪雪の原因だったのです。
しかし、次第にシベリア高気圧の勢力が弱まると、中国からやってきた移動性の高気圧と低気圧が交互に日本列島を訪れるようになります。低気圧には、温暖前線と寒冷前線があります。温暖前線が通過すると気温が上がり、そのあとに寒冷前線が通過して再び気温が下がります。それで、暖かくなったり寒くなったりするのです。
日によって寒暖の差が激しいこの季節は体調を崩しやすくなります。
冬は夏と比べて体の基礎代謝が高くなっているため、秋の20℃台なら暖かく感じますが、2月の20℃台の気温は暑く感じます。
2016年2月に高知県で行われたマラソン大会では、気温が20℃台を超えて熱中症患者が出たというのですから驚きですよね。
うまく衣服を調節しながら、上手にこの季節の移ろいを楽しんでほしいと思います。
今井明子
サイエンスライター・気象予報士
兵庫県出身、神奈川県在住。好きな季節はアウトドア・行楽シーズンまっさかりの初夏。大学時代はフィギュアスケート部に所属。鯉のいる池やレトロ建築をめぐって旅行・散歩するのが好き。
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