こんにちは。気象予報士の今井明子です。
年の瀬に向かい、ますます冷え込むようになってきました。
今回は「雪風巻」についての話をします。
雪風巻とは、雪を伴った強い風のこと。いわゆる吹雪のことです。
気象庁の定義では、吹雪は「『やや強い風(風速が10m/s以上15m/s未満の風)』程度以上の風が雪を伴って吹く状態」となります。また、積もった雪が風で空中に吹き上げられることもあり、こちらは「地吹雪」と呼ばれます。

雪が降ったり積もったりしているときに風が非常に強いと、あたり一面が真っ白になります。これがホワイトアウトです。雪国や北国ではこれでいくつも痛ましい事故が起こっています。
もし、こんなときに徒歩で外を歩いていると、あたり一面が真っ白になるので、見通しが悪くなり、方向感覚を失ってしまいます。そして道に迷ううちに体温が奪われて命にかかわることもあるのです。雪女の伝説ができるのも納得ですね。

車での外出も危険です。見通しが悪くなれば衝突したり、崖から転落したりする可能性が高まります。風で飛んでくる雪自体も厄介です。雪の吹き溜まりで車が発進できなくなりますし、排気口がふさがれて一酸化炭素中毒になることもあります。

外出しなければ安全なのかというと、そうともいえません。住宅の排気口がふさがれると、やはり一酸化炭素中毒の危険性が高まりますし、玄関が雪でふさがれれば家に閉じ込められてしまいます。風によって運ばれた雪が電線に付着して停電したり、暴風で物が飛んできて窓ガラスが割れたりすることも。「雪風巻」という言葉だけ見ると風情がありますが、とにかく全方位的に危険な現象なのです。

気象庁では、雪を伴う暴風により重大な災害が発生するおそれがあると予想したときに、暴風雪警報を発表します。特に冬に発達した低気圧が通過したときや、強い冬型の気圧配置のときは、風が強くなるため暴風雪警報が発表されやすくなります。こんなときは外出しなくてもよい備えや、停電になってもよいような備えをして、排気口や玄関への吹き溜まりにも注意しておく必要があります。


今井明子
サイエンスライター・気象予報士
兵庫県出身、神奈川県在住。好きな季節はアウトドア・行楽シーズンまっさかりの初夏。大学時代はフィギュアスケート部に所属。鯉のいる池やレトロ建築をめぐって旅行・散歩するのが好き。
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