こんにちは、こんばんは。
ライターの栗田真希です。
「山眠る」というのは冬の季語で、冬の山の静まり返った様子を表す言葉です。

「眠る」と表現することで、住まう土地によって想像する山々の景色が異なり、解釈の幅が広がるところに、言葉のおもしろさを感じます。あまり雪の降らない地域では葉を落とした木々の立ち並ぶ姿を想像するでしょうし、雪国の方々は真綿のような雪の布団をかぶる山を思い浮かべるはずです。

みなさんは、どんな山の姿を思い浮かべますか?
わたしは、雪の少ない土地で暮らしてきました。枯れ葉を踏む音が小気味よく聴こえるような静かな山を歩くと、確かに「眠っている」という言葉がしっくりきます。葉を落とさない木々の緑にも夏のころのような瑞々しさはなく、落ち着いた色合いで季節の現在地を教えてくれているようです。

いまはひと休みしている草木も、また春には黄緑色のやわらかな若葉が姿を見せるのだと瞼の裏で想像すると、寒さの厳しい季節にはたっぷり眠っていただきたくなります。
栄養を蓄える時間は、わたしたち人間にとっても大切ですよね。冬の山に入ると、澄んだ空気と静謐さに癒やされ、なんだか自分自身も「ちゃんと休もう」と思えます。今夜はちゃんと肩まで湯船に浸かろう、あたたかいハーブティーを飲もう、いつもより早くベッドに入ろう、と。

身体の芯まで冷える季節ですから、山で巡っている自然の営みのように、無理のないリズムで健やかに暮らしたいものですね。
ちなみにこれまで、ほかの季節の表現として、春の「山笑う」、夏の「山滴る」、秋の「山粧う」も暦生活のコンテンツでご紹介してきました。ぜひ合わせてご覧ください。

栗田真希
ライター
横浜出身。現在は東京、丸ノ内線の終着駅である方南町でのほほんと暮らす。桜をはじめとした花々や山菜が芽吹く春が好き。カメラを持ってお出かけするのが趣味。OL、コピーライターを経て現在はおもにライターとして活動中。2015年準朝日広告賞受賞、フォトマスター検定準一級の資格を持つ。
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