昭和の日しょうわのひ

暦とならわし 2020.04.29

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こんにちは。巫女ライターの紺野うみです。

4月29日は、国民の祝日のひとつである「昭和の日」となっています。その名称からも想像できるように、由来は「昭和天皇のお誕生日」。

そもそも国民の祝日とは、日本の伝統・文化・歴史にまつわる日を記念して、国民全体でお祝いし感謝する日のこと。
「国民の祝日に関する法律(祝日法)」によると、現在の昭和の日は「激動の日々を経て、復興を遂げた昭和の時代を顧み、国の将来に思いをいたす」日である、と定められています。

令和の世になった今では、昭和を経験していない世代も続々と社会で活躍し始めるようになってきましたよね。
でも、長く苦しい戦争を乗り越え、そこから高度経済成長期を経て、今日のような私たちの暮らしにバトンを繋いでくれた昭和は、まさに「激動の時代」。
その事実は、次の世代へも伝えていかなくてはなりません。

でも、この「昭和の日」に関しては、これまでに紆余曲折があり、いくつか別の名前を経てきたことをご存知でしょうか?
その経緯は、次のようになっています。

  • ~1948年/【天長節】
  • 1949年~1988年/【天皇誕生日】
  • 1989年~2006年/【みどりの日】
  • 2007年~現在/【昭和の日】

第二次世界大戦後である1948年(昭和23年)に施行された祝日法で、それまで長きにわたり【天長節】とされていた、在位中の天皇陛下のお誕生日につけられていた祝日の名称が【天皇誕生日】になります。

1989年に昭和天皇が崩御されると、明仁さま(現在の上皇さま)のご即位と共に、元号は平成へ。天皇誕生日が12月23日になるため、4月29日は【みどりの日】になりました。
自然を愛し、生物学者としてもご活躍だった昭和天皇を偲んで、「自然と親しむとともにその恩恵に感謝し、豊かな心を育む」という趣旨の祝日になったのだとか。

やがて【みどりの日】制定から約20年が経過し、2007年に現在の【昭和の日】へと名前が改まります。この理由は、昭和天皇の世である「昭和」が敗戦から復興を遂げ、日本にとって大きな変化と共にあった時代であるということを風化させないためだと言われています。

こんな風に、祝日の裏側にある想いは、これまでにさまざまな形で移り変わりながら、今日まで続いてきたのです。しみじみと、歴史を感じる事実ですよね。
祝日と聞くと、ついつい「お休みだ、ラッキー!」で終わってしまいがちかもしれませんが、こんな風に「〇〇の日」の中に込められた想いや、背景の物語を知っておくのも大切なこと。

日本の暦を知ることは、私たちの国の歴史や文化を知ることでもあります。
天皇陛下のご先祖様である、太陽の女神「天照大御神(あまてらすおおみかみ)様」が中心となり、八百万の神々たちが見守ってくださる日本の国。
この国の平和と豊かな恵みが、どこまでも長く続くことを願わずにはいられませんね。

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紺野うみ

巫女ライター・神職見習い
東京出身、東京在住。好きな季節は、春。生き物たちが元気に動き出す、希望の季節。好きなことは、ものを書くこと、神社めぐり、自然散策。専門分野は神社・神道・生き方・心・自己分析に関する執筆活動。平日はライター、休日は巫女として神社で奉職中。

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紺野 うみ|オフィシャルサイト

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