肩こり・目の疲れ

旬のもの 2020.05.24

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こんにちは。国際中医専門員の櫻井です。

中医学で痛みを考える時、重要な言葉があります。
「不通則痛、通則不痛」
通じざればすなわち痛み、通じると痛みはすなわち無くなるという言葉です。

では何が通じないのかというと、気血津液(きけつしんえき)。
気と血と体液である津液です。
気は体を元気にするエネルギーです。この気は一部に停滞してしまうと、他のところでエネルギー不足と気の不足を生じさせますから、胃腸がしっかり動けなくなったり、気力が低下したり、張るような痛みを起こしたりします。また気が詰まって痛みが起こるときは、その痛む場所は毎度同じではなく、時間経過とともに移動します。

血は、血管内を流れる赤い液体です。血液とほぼ同じものですが、中医学では、血には精神安定作用があると考えます。なので、血が不足すると体が乾燥して肌や髪がパサパサになるほか、不安感が強まったり、睡眠が浅くなったりすると考えます。血の巡りが滞った場合の痛みは、気の回りのときとは違って固定痛です。この場所がピンポイントで痛いというのがわかり、触れてほしくないような激しい痛みを伴います。

また血の不足や血の巡りの低下は目の不調にも繋がります。目が乾燥する、しょぼしょぼする、疲れるなどのときは、血が不足している、または血がしっかり巡っていない可能性があります。

最後に津液(しんえき)です。津液は血以外の体液の総称で、これが詰まるとむくみになります。むくんで腫れるように痛いのは、水の流れが悪くなった状態です。

肩こりは主に、血流障害として考えられます。私達の腕はかなり重く(平均で体重の1/16。50キロで3キロちょい)、それを少ない筋肉でひっぱって固定しているため、基本的に肩がこりやすいです。加えて、自粛で外出もままならず、運動の機会もへっているので、余計に血の巡りは悪化します。そうすると肩こりだけでなく、頭痛や関節痛、月経痛なども悪化しやすくなると中医学では考えます。

肩こりや目の疲れでお困りの方は、まずこまめに肩回しをしましょう。人差し指と中指で肩に触れて(右指は右肩、左指は左肩を)肘を曲げ、肘ができるだけ体より遠くで大きな円をかくよう、前に5回、後ろに5回、回して見てください。できれば10回回したいけど、結構しんどいので、はじめは5回から。

やってみるとちょっとポカポカしてスッキリしますよ。

あとは、早く寝ること。血は夜つくられますので、夜の時間に寝ておかないと足りなくなって不調のもとになります。とにかく日が暮れたら寝るぐらいの感覚で。朝は早く起きてしまっていいですからね。家の周りや公園など、早朝に散歩しましょう。

血流改善におすすめの食材は、ネギ類、青魚、納豆、お酢などがおすすめですよ。目の不調があるひとは加えて、菊の花のお茶、クコの実なども。ぜひ、お試しください。

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櫻井大典

国際中医専門員・漢方専門家
北海道出身。好きな季節は、雪がふる冬。真っ白な世界、匂いも音も感じない世界が好きです。冬は雪があったほうが好きです。SNSにて日々発信される優しくわかりやすい養生情報は、これまでの漢方のイメージを払拭し、老若男女を問わず人気に。著書『まいにち漢方 体と心をいたわる365のコツ』 (ナツメ社)、『つぶやき養生』(幻冬舎)など。

櫻井大典|ゆるかんぽう

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