おはようございます、こんにちは、6月ですね。エッセイストの藤田華子です。
6月1日といえば、いまだに「今日から夏服!」と、学生時代の衣替えを思い出します。
重たいブレザーや学ランを脱いで、軽やかなシャツに!
先生に念を押されても、毎年、冬服のまま登校してきてしまう友人が何人かいて笑い合ったのも懐かしいです。
調べてみると、学校の衣替えはタイミングが異なる地域もあるようです。
たとえば、寒い北海道では半月ずらした6月15日、9月15日に。温かい南西諸島では5月1日、11月1日に。季節に適した装いをするのが目的ですから、土地土地の気候によって日が変わるのも納得ですね。

冷暖房が整い、1年を通して同じような服装で過ごせる現代だと、クローゼットには年中同じ服があり衣替えをしないという方も多いかもしれません。それはそれで合理的なのですが、ちょっとだけ、日本ならではの感性に想いを馳せてみませんか。
衣替えの歴史を追ってみると、なんと平安時代にまでさかのぼります。
当時の貴族といえば、雅な十二単や束帯を纏いおしゃれを楽しんでいたイメージ。そこに中国から伝わったのが、衣替えです。最初は「更衣(こうい)」といわれていましたが、天皇の着替えを担う女官の職名も「更衣」と呼ばれるようになったため、「衣更え(衣替え)」という呼び名が定着したそうです。

平安時代では宮中行事として年に2回衣を替えていたけれど、江戸時代になると着物のレパートリーが増えたので年に4回と頻度が増えました。春夏秋冬はっきりした四季がある日本らしいですが、3ヶ月ごとに衣替えを行うとは少々忙しかったことでしょう。
明治時代に洋服が取り入れられると、役人・軍人・警察官などが制服を着るように。そこに新暦が採用され、6月1日に夏服へ、10月1日に冬服へと、年に2回替える現代のスタイルになったのです。

昔なにかで読んだのですが、花を贈るとき、西洋では美しく満開になった花を選ぶのが良しとされている一方、日本では七分咲きやつぼみの花が好まれるそうです。咲き誇る花を大切な人と一緒に楽しみたいという西洋の考えと、つぼみや七分咲きの花が満開になるまでの移ろいも愛でてほしいという日本の考えがよく表れていますよね。
変化に美を見出し、四季に寄り添いながら生活してきた日本人だからこそ、衣替えという文化が定着したのではないでしょうか。
クローゼットの整理をするとき、そんなことを思い出してみると衣替えの楽しさもひとしおだと思います。
さあ、気持ちのいい夏まであと少し。
夏のおしゃれを、満喫しましょう。

藤田華子
ライター・編集者
那須出身、東京在住。一年を通して「◯◯日和」を満喫することに幸せを感じますが、とくに服が軽い夏は気分がいいです。ふだんは本と将棋、銭湯と生き物を愛する編集者。ベリーダンサーのときは別の名です。
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