梅雨があける頃、東京を中心に関東各地で開催される『ほおずき市』。
赤く実りかけた鉢仕立てのほおずきや出店がずらっと並び、多くの人で賑わいをみせる夏の風物詩です。

そもそもほおずき市とは、観音様の「功徳日」にほおずきを販売する縁日のことで、観音信仰と深い関係があります。
平安時代より観音様の縁日は毎月18日とされていましたが、室町時代以降には「功徳日」という縁日が設けられるようになり、この日1回の参拝で100日分、または1,000日分の参拝に相当するご利益があるとされてきました。
功徳日は寺社によって異なりますが、都内最大級の浅草寺では月に1度、年に12回の功徳日を設けています。この中でも、7月10日は最大のもので、「四万六千日(しまんろくせんにち)」と呼ばれ、この日に参詣すると四万六千日分お参りしたのと同じ御利益があると言われています。四万六千日はおよそ126年に相当するため、「一生分の功徳が得られる縁日」とも言われています。
また、7月10日に1番乗りで浅草寺を参拝しようと前日の9日から境内が賑わうようになり、7月9日・10日の両日が縁日となりました。

ほおずきは漢字で「鬼灯」「鬼燈」と書き、赤い色は夏負けの厄除けになると言われ、漢方薬としても用いられていました。さらに7月は旧暦のお盆とも重なる時期であり、先祖が帰ってくるときの道を照らす提灯として供えられています。

このように縁起物として親しまれてきたほおずき市ですが、今年は新型コロナウイルスの影響で各地で中止が発表されました。
ほおずきの栽培には、実に1年の月日がかかっています。
毎年手間暇かけて育てている生産者の皆さんのことを考えると、イベント開催が叶わないことは心苦しい気持ちになります。
そんな中、農林水産省補助の特設サイトにて行き場を失ったほおずきの販売が始まりました。生産者さんの思いが綴られていますので良かったら覗いてみてくださいね。

江戸時代には幾度となく疫病の流行がありました。当時漢方薬として用いいられていたほおずきは「健康祈願」「病魔退散」の植物として重宝されながら、疫病を乗り越えてきました。
歴史に倣い、祈りを込めて。今年は別のかたちで好みのほおずきを手に入れて、家でゆっくりと楽しんでみるのもまたいいかもしれませんね。

松下恭子
うつわ屋 店主・ライター
神奈川県出身、2019年に奈良市へ移住。
好きな季節は、春。梅や桜が咲いて外を散歩するのが楽しくなることと、誕生日が3月なので、毎年春を迎えることがうれしくて待ち遠しいです。奈良県生駒市高山町で「暮らしとうつわのお店 草々」をやっています。好きなものは、うつわ集め、あんこ(特に豆大福!)です。畑で野菜を育てています。
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