強い日差し、蝉の鳴き声に、入道雲。いかがお過ごしでしょうか、エッセイストの藤田華子です。
本格的な夏を味わうかたわら、8月は、絶対に忘れてはいけない歴史ーー戦争について向き合う時期でもあります。

1945年8月15日正午。
昭和天皇がラジオを通じて日本の降伏を国民に伝え、太平洋戦争が終わってから、今年で75年が経ちます。
満州事変から日中戦争、太平洋戦争へと広がり、1945年の8月、日本にふたつの原爆が投下され、それを機に終戦を迎えました。15年という長い期間にもおよび、政府の記録によると、日本の戦没者は軍人・軍属230万人、民間人80万人だそうです。

今年83歳になる私の祖母も、戦争を経験しています。中国東北部の「満州」で飢えと恐怖に耐え、命がけで引き揚げてきたと語ってくれました。
なかでも印象に残っている言葉は「正義は、揺らぐ」というものです。戦いに行く人たち、もっと言ってしまえば誰かを殺すため、そして自らの命を落とすかもしれない人たちを、「バンザイ」「いってらっしゃい」と見送ったこと。当時は何の疑いも持たなかったけれど、いま思うと、とても罪深いことをしていたと。
正義は、揺らぐーー状況によって変わるあいまいなものだからこそ、私たちは歴史を学び、先人の声を聞き、学ぶ必要があるのだと思います。
戦争のドキュメンタリー番組を制作した知人は、毎年、東京大空襲が起きた3月10日は被災場所の下町を巡っています。1時間半自転車を漕ぎ、汗だくになりながら歴史を振り返る。彼にとって、歴史を風化させないための年課だそうです。

戦後75年。
語り部となり、貴重な声を届けてくれる方々もご高齢になられています。
正直なところ、戦争は重く、恐ろしく、悲しく、できれば目を背けていたいものです。でも今日は、少し勇気を出して向き合ってみませんか?終戦記念日は、「戦没者を追悼し平和を祈念する日」。過去と未来を想う日なのですから。

藤田華子
ライター・編集者
那須出身、東京在住。一年を通して「◯◯日和」を満喫することに幸せを感じますが、とくに服が軽い夏は気分がいいです。ふだんは本と将棋、銭湯と生き物を愛する編集者。ベリーダンサーのときは別の名です。
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