伝統工芸

暦とならわし 2020.11.10

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こんにちは。ライターの松下恭子です。

2020年も、残すところあと少しですね。
今年は誰にとっても、記憶に残る特別な1年になったと思います。良いことも大変なこともそれぞれにたくさんあり、これから先、「どう生きるか?」に向き合った人はきっと多かったことだろうと思います。

かくいう私も、その一人。

今年はただひたすら全力で走りながら、色々なことを考えました。不安なこともたくさん押し寄せてくる中で、振り切るようにもがきながら走り続けました。そんなせわしない日々の中で、自分を取り戻す唯一の時間が、「伝統工芸」に向き合うことでした。

「伝統工芸」。長年にわたり受け継がれた技術によって作られた美術や工芸のことをいいます。ひとくちに伝統工芸と言ってもその種類は様々ですが、今回このテーマで記事を書くにあたり改めて自分の周りにある伝統工芸品を見直してみました。陶器、木工、漆、ガラス…。どの作品も、今年に入ってから買ったものばかり。全て私にとっては大切な宝物です。

なぜ私はこんなにも伝統工芸品に強く惹かれるのだろう?
改めて考えてみました。

それは、1つ1つに作品を超えた物語や思い出が染み込んでいるからだと思います。
作品そのものの魅力はもちろんなのですが、生まれた背景や動機、作り手や、それを売る店主の人柄や届けたい思い…。さらにそれだけではなくって、その作品と出会った場所の空気や匂い、私の心情までもが、記憶の奥深くにまどろんでいる。

正直、私が持っている伝統工芸品に似ているものは世の中に溢れていて、もっと安くていいものもあるかもしれません。

機械で大量生産されたものや海外で作られたものの方が格段に安く、使い勝手がよかったりすると思います。それでも、あえて伝統工芸品を選ぶというのは、そこに語りたくなる思いがあるからなのです。長い歴史の中で、マイナーチェンジを繰り返しながらも受け継がれてきた技術や思いがあって、今こうして時代を超えて私の手元まで渡ってきた。誰かが作ったもの、つないだものが、私の生活の一部として根っこを張っていく。ただ単に、古ければ・高ければいいのではなくって、自分が「いいなぁ」「素敵だなぁ」と思えるものに出会って、そのときにどう感じるのか。人やものとの関係性をどう築いていくのか。
その小さな積み重ねが人生の密度を高めてくれると、私は日々実感しています。

きっと、世の中の状況は来年も再来年も、劇的に変わることはなく続いていくのだろうと思います。贅沢な暮らしじゃなくても、いつでも帰ってくる場所、心の拠り所があるということ。それだけで、周りに惑わされることなく豊かな気持ちで暮らしていけるのだろうと信じています。

伝統工芸品に限らず、ぜひ自分が大切にしたいと感じる身近なものに触れてみてほしいなと思います。そこから始まる物語はきっと、あなたに癒しをもたらしてくれるだろうから。

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松下恭子

ライター
神奈川県出身、2019年に奈良市へ移住。
好きな季節は、春。梅や桜が咲いて外を散歩するのが楽しくなることと、誕生日が3月なので、毎年春を迎えることがうれしくて待ち遠しいです。好きなものは、うつわ集め、あんこ(特に豆大福!)です。

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