牡蠣かき

暦とならわし 2020.11.21

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こんにちは。漁師をしている三浦尚子です。
岩手は寒くなってきて、じんわり温かいお鍋が食べたい季節になってきました。今日はお鍋に入れて食べたい牡蠣についてのお話です。

牡蠣は広島県や岡山県、宮城県や岩手県など、日本の東西それぞれに産地があります。冬になると広島県産の牡蠣がスーパーに並んでいたり、牡蠣を扱う飲食店さんのメニューに出ることも多いので、「牡蠣=冬」のイメージをお持ちの方も多いかもしれません。流通の面では冬場がメインといえますが、食べるのにおすすめなのは実は春だったりします。

牡蠣は夏場に産卵期を迎えるため、その直前の春頃に身に養分を蓄えます。また、山の養分を含んだ雪解け水が川をつたって海に流れることで、海中内のミネラル豊富なプランクトンが増えます。そうすると、今度は海水を飲んだり吐いたりを繰り返している牡蠣が餌となるプランクトンを吸収して、身が肥えていきます。この一連の流れがあることで他の時期よりもおいしくなり、春頃がおすすめなのです。

私の本業のひとつは牡蠣の養殖で、1年通して牡蠣と接しています。
私がこの仕事をしてから思ったのは、「こんなにも手作業で行うことが多いのか」とびっくりしたこと。もちろん機械化できる部分もあるけど、大事な部分は全部人の手で行います。
牡蠣の掃除や間引き、仕込み、出荷、例をあげていくと大半が手作業です。中でも、手とナイフ1本で身を傷付けずに牡蠣をむく技術は完全に職人技。牡蠣をむいて出荷をする漁師さんたちは、何年、何十年とかけて習得したことなので、すごいなあと思っています。

まず、牡蠣の殻にナイフを入れて貝柱のある位置まで差し込みます。牡蠣を動かして貝柱を剥がして蝶番(ちょうつがい)を開けると、白くてつやつやした牡蠣が。慣れないとひとつ開けるのも大変なのですが、漁師さんたちは素早く次々に牡蠣を剥くため、あっという間に剥き身が貯まっていきます。

もしもむいた牡蠣があるなら、私は迷わず牡蠣鍋にします。牡蠣を洗って下処理をしたら、ぐつぐつとしたお鍋にどんどん投入。牡蠣の旨味がつゆに染み込んでいるので、鍋のシメは雑炊にするのもおいしいです。

あと、個人的には牡蠣グラタンも大好きでおすすめ。牡蠣とクリームソースの相性は抜群です。私はクリーム系のごはんが好きなので、グラタンやシチューに入れて食べることも多いです。
みんなでわいわいと話しながら鍋やグラタンを食べるのも、冬の醍醐味かもしれませんね。温まる牡蠣料理で、冬を感じていただけたらうれしいです。

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三浦尚子

漁師・ライター
神奈川県出身、岩手県在住。春が好き。ほっとする暖かさと、生き物が活発に芽吹いていく空気が心地よく感じます。趣味はカメラとおいしいごはんを食べること。夜明け頃の海が好きで、ときどき海の写真を撮っています。

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