おはようございます、こんにちは。エッセイストの藤田華子です。
今日はクリスマス!年齢の数だけこの日を経験していても、毎年、なぜこうも心が弾むのでしょう。
83歳になった祖母が、広告の裏紙で作ったクリスマスカードに「誰からもお誘いもなければ、プレゼントもない。それでも楽しいクリスマス」と書いていて、思わず笑ってしまいました。誰かと集まることの難しい時期ですが、それでも楽しいのがクリスマスだと思います。

クリスマスは、約2000年前にユダヤのベツレヘムの馬小屋で、イエス・キリストが聖母マリアのもとに生を受けたことをお祝いする日です。
ただ、キリストの誕生日なのかといわれるとそうではなくて、実は新約聖書には誕生日に関する記録は残されていないため、正確な日付はわかないのです。そのためクリスマスは「キリストの誕生日」ではなく、「キリストが生まれてきたことをお祝いする日」なのです。
では、なぜ12月25日になったのでしょう。話は、ローマ帝国時代のヨーロッパに遡ります。
当時、キリスト教はまだまだ民衆に定着していない存在。ちょうどそのころ、ペルシャから太陽を崇拝する「ミトラス教」という宗教が伝わってきました。ミトラス教には「光の祭り」という大切な行事があり、それが行われるのは、北半球において一年で最も昼間が短くなる冬至。日本でもゆず湯に入ったり、南瓜を食べたりと、古くからの習わしがありますね。

冬至の翌日からまた日が長くなっていく=勢いの弱まっていた太陽がふたたび力を取り戻し、光がよみがえることを意味し、お祝いしていたのです。この冬至が、12月25日にあたっていました。
また、ローマ帝国のもともとの土着の祭りとして、農耕の儀式も12月25日前後に行われていました。
そこでローマ皇帝はイエス・キリストを「光」にたとえ、「光(太陽)の復活はキリストの復活」として、それまで行われていた土着的なお祭りをすべてまとめるかたちで12月25日をキリストの降誕祭に制定しました。
このクリスマスの制定は、ほかの宗教との対立を防ぐための折衷案としての意味合いもあったのでしょう。ローマ皇帝の目論見は見事に功を奏し、宗教間の摩擦や衝突を減らすだけでなく、キリスト教を広め、定着させるきっかけにもなったそうです。

今年はコロナ禍でも、サンタクロースの移動は制限を受けずプレゼントを届けると、WHO(世界保健機構)が世界中の子どもたちが安心するよう呼びかけて話題になりました。
私も子どものころ、サンタクロースとトナカイに差し入れを用意するほどクリスマスが楽しみで楽しみで。世界中を移動するのはさぞや大変なことでしょうから、サンタさんにはお茶とクッキー、トナカイにはニンジンを。眠い目をこすりながら彼らの到着を待とうとしても、ついウトウトしてしまい…翌朝は「ああ、今年も会えなかった!」という落胆と、プレゼントが届いた嬉しさとで、興奮したのを覚えています。
ちなみにニンジンには、毎年、少しだけかじった歯形が残っていました(笑)。
素敵なクリスマスをお過ごしください。

※クリスマス・キリスト教の由来については諸説あります。

藤田華子
ライター・編集者
那須出身、東京在住。一年を通して「◯◯日和」を満喫することに幸せを感じますが、とくに服が軽い夏は気分がいいです。ふだんは本と将棋、銭湯と生き物を愛する編集者。ベリーダンサーのときは別の名です。
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