伝統文様でんとうもんよう

暦とならわし 2021.01.08

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こんにちは。ライターの松下恭子です。

着物や手ぬぐい、陶器などに使われる日本らしい柄や色。
古くから日本に伝わるこれらの和柄は、『伝統文様』といいます。

伝統文様の歴史は古く、飛鳥・奈良時代に大陸から伝わってきました。はじめは松竹梅や龍、鳳凰など中国文化の影響を大きく受けていましたが、平安時代になると遣唐使が廃止されたことを受けて、藤や扇(おうぎ)、熨斗(のし)などの日本らしいデザインが貴族の間で定着するようになりました。

さらに鎌倉時代には武家に、江戸時代には庶民に親しみ深い文様となって人々の生活に溶け込むようになり、様々なデザインが生まれました。その時代の日本の文化や流行、他国の文化も柔軟に取り入れながらアレンジし、現代まで広まってきました。

そもそも伝統文様とは、文様をパターン化して規則正しく並べた和柄のことで、自然を抽象的に表した「幾何学文」や動物や植物をモチーフにした「動・植物文」に分けられます。

文様にはそれぞれに五穀豊穣や家内安全など祈りや思いが込められていますが、中でも縁起の良い柄をもつ模様を「吉祥文様(きっしょうもんよう)」と呼びます。
着物や伝統工芸品などにあしらわれていて、お正月や結婚式などお祝いごとのシーンでよく使われます。

代表的なデザインは「麻の葉(あさのは)」です。

麻の葉(あさのは)

生六角形のなかに6つの菱形が放射状に広がる幾何学的な文様で、見た目が麻の葉に似ていることから名付けられました。

麻は通気性が良く人々の生活に親しみのある植物で、神事にも用いられたことから魔除けの文様として扱われてきました。
また、麻の葉はまっすぐ伸びることから、「子どもがすくすく成長しますように」という願いが込められ、産着にも使われてきました。

亀甲(きっこう)

亀の甲羅を表す「亀甲(きっこう)」は生六角形を左右上下に配置したもので、鶴亀に結びつくことから「長生きしますように」の願いが込められています。

西アジアでは紀元前からレリーフとして用いられ、日本でも正倉院の宝物のなかにその文様が見られます。亀甲が二層になっている「子持ち亀甲」、亀甲の中に花を描いた「亀甲花菱(はなびし)」など文様の種類も数多くあります。

青海波(せいがいは)

青い海の波をモチーフにした「青海波(せいがいは)」は扇形を交互に重ねて波を表した文様です。どこまでもおだやかに波が続くことから、「未来永劫、平安が続きますように」の願いが込められています。

他にもここでは紹介しきれないたくさんの伝統文様がありますが、色々調べる中で私が一番気になった文様は「波千鳥(なみちどり)」です。

波千鳥(なみちどり)

波間を世間にたとえて、「ともに荒波を乗り越える」という意味から夫婦円満、家内安全の願いが込められた文様です。また、「千取り」にかけて幸せをたくさん掴み取る勝運祈願、目標達成の意味も。

千鳥は、鳥の種類ではなく、群れで飛ぶ小鳥の総称のことをいいます。
今年も、荒波にもまれるような大変なこともあると思いますが、私もこの千鳥の中の一員として、家族や仲間と協力しあいながら乗り越えていきたいと、このかわいらしい文様を見ながら決意を新たにしました。

生活用品に、大切な誰かへのプレゼントに..。願いを込めながら、今年は伝統文様を選んでみてはいかがでしょうか。人々の願いが詰まったものはお守りのような存在で、心に安らぎを与えてくれるかもしれません。

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松下恭子

ライター
神奈川県出身、2019年に奈良市へ移住。
好きな季節は、春。梅や桜が咲いて外を散歩するのが楽しくなることと、誕生日が3月なので、毎年春を迎えることがうれしくて待ち遠しいです。好きなものは、うつわ集め、あんこ(特に豆大福!)です。

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