文化の日

暦とならわし 2021.11.03

この記事を
シェアする
  • twitter
  • facebook
  • B!
  • LINE

11月3日は「文化の日」です。
年末へ向けてバタバタとし始めるこの時期に、ひと呼吸置けるようなタイミングの祝日。

「国民の祝日に関する法律」によると、文化の日とは「自由と平和を愛し、文化をすすめる日」とされています。

もともと文化の日は、戦前は「天長節」と呼ばれていました。明治天皇の誕生日で、祝日とされていましたが、大正時代に入ると11月3日は「明治節」と呼ばれるようになりました。
その後、1946年11月3日に新しい憲法が公布されたことを記念して、2年後の1948年に「文化の日」として定められました。日本国憲法は平和と文化を重視していることから、その精神に基づく形で文化の日は生まれたと言われています。

文化の日が定着してからは、全国でさまざまなイベントが開催されるようになりました。その中でも代表的な行事が、よくニュースでも取り上げられる「文化勲章の授与式」です。
文化を称える行事として、毎年、科学技術や芸術などの分野でめざましい功績をあげた人たちに勲章が授与されます。

受章者のジャンルは多岐にわたります。
物理工学、免疫学、政治学、写真、狂言、電気化学、人形、日本文学、彫刻、脚本、陶芸、作曲、租税法学..

まだまだあるのでここでは全て書ききれないのですが「文化」とひとくちに言ってもその幅の広さに毎年驚いてしまいます。

では、そもそもここで言う「文化」とはどういう意味なのでしょうか?
広辞苑で調べてみました。

【文化】(ぶんか)
 1.文徳で民を教化すること。
 2.世の中が開けて生活が便利になること。文明開化。
 3.(culture)人間が自然に手を加えて形成してきた物心両面の成果。
  衣食住をはじめ科学・技術・学問・芸術・道徳・宗教・政治など生活形
  成の様式と内容とを含む。
  文明とほぼ同義に用いられることが多いが、西洋では人間の精神的生活
  にかかわるものを文化と呼び、技術的発展のニュアンスが強い文明と区
  別する。文化⇔自然。
   《広辞苑・第六版》

なかなか一言で説明するのは難しいですが、言葉を拾ってみると意味に近づくことができそうです。「文徳」「生活」「便利」「形成してきた物心両面」「文化⇔自然」..。
人間が住みやすいように理想を追求してできた総称を、広く「文化」と表現できるのかもしれませんね。

文化に関わるものといえば、私は日本の「食文化」に誇りを持っています。
日本列島は南北にのびた島国で、その土地ならではの四季折々の食材を楽しむことができます。みそ、しょうゆ、漬物などの発酵文化も盛んで、和食を中心としながら海外の食文化も取り入れ、独自に発展してきました。

また、日本人は昔から自然を敬いながら生活してきました。自然の中に神様の存在を感じて、田植えや収穫など節目のときには豊作を祈ったり、感謝の気持ちを表したりする催しが各地に根付いています。
広辞苑では、文化とは「文化⇔自然」と対極なものとして説明されていますが、お互いを完全に切り離すのではなく、自然と調和しながら育まれてきただろうということが分かります。

皆さんは日本文化のどのようなところが好きでしょうか。
この機会に興味を持って調べてみるのもまた、楽しみが広がるかもしれません。

この記事をシェアする
  • twitter
  • facebook
  • B!
  • LINE

高根恭子

うつわ屋 店主・ライター
神奈川県出身、2019年に奈良市へ移住。
好きな季節は、春。梅や桜が咲いて外を散歩するのが楽しくなることと、誕生日が3月なので、毎年春を迎えることがうれしくて待ち遠しいです。奈良県生駒市高山町で「暮らしとうつわのお店 草々」をやっています。好きなものは、うつわ集め、あんこ(特に豆大福!)です。畑で野菜を育てています。

  • instagram
  • note

関連する記事

カテゴリ