こんにちは、こんばんは。
ライターの栗田真希です。
9月4日は語呂合わせから「くしの日」。
歴史を紐解くと、櫛にはひと言では言い切れない多様な役割がありました。髪をとかす道具としてはもちろん、古代には、占いや魔除けに用いられることもありました。女性が髪を結い上げる文化の時代には、髪飾りとしても人気のアイテムに。美術館などで見ることができる江戸時代の装飾豊かな櫛は、美しく個性豊かなものが数多く残っています。

みなさんは櫛を使っていますか? ブラシが普及して、あまり櫛を使わない人も多いかもしれません。わたしは以前はブラシ派だったのですが、ここ2年ほどは櫛派になっています。きっかけは、実家がある関東から長崎県へ移り住んだことでした。実家と住まいを行き来するときに、荷物を少なくするためにブラシよりスリムな櫛を使うようになったのです。使ってみると、ふだんのポーチにもかさばらずにしまうことができて、より便利さを実感するようになりました。

毎日使うものなのだから、長く使える質のよい櫛をお迎えしたいと思う近ごろ。つげ櫛を買おうかなと、あれこれ調べています。
つげ櫛とは、つげ科の木材からつくられた櫛のこと。将棋の駒や印鑑などにも使われてきた木材で、木目が細かくて弾力性があるのが特長です。相撲や歌舞伎などでは、いまも髪結い道具として使われています。ちゃんとお手入れを続ければ、一生ものとして長持ちするのも魅力です。
櫛を愛用している方々にも、ぜひアドバイスをいただきたいところです。つげ櫛に限らず、きっと思い出とともに推しポイントがあるはず。みなさんと一緒に好きなアイテムや思い出を共有できる日になるとうれしいです。

「くしの日」には、鏡の前でゆっくりと髪をとかしてみませんか。わたしにとって髪をとかすひとときは、ひとつのご自愛です。満ち足りた気持ちになって、時間の流れがゆるやかに感じます。
そして誰かの髪をとかすのも、とかしてもらうのも、よいものですよね。友だちの髪をとかしているとき、心が通っているなあと思った瞬間のことを深く覚えています。
今日も櫛という道具とともに、やさしい時間がたくさん生まれますように。

栗田真希
ライター
横浜出身。現在は東京、丸ノ内線の終着駅である方南町でのほほんと暮らす。桜をはじめとした花々や山菜が芽吹く春が好き。カメラを持ってお出かけするのが趣味。OL、コピーライターを経て現在はおもにライターとして活動中。2015年準朝日広告賞受賞、フォトマスター検定準一級の資格を持つ。
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