冬至の飾り、ヒンメリをつくる
冬至です。冬至を境に、これからは昼間の時間が長くなりますね。今まではどんどん日が短くなって、夕方5時前にはもう雨戸を閉めるような日々でしたが、これからは少しずつその時間も遅くなっていくでしょう。

冬至は、冬を極めていよいよ春に近づく、というお祝いの日でもあります。冬至をお祝いするのは日本だけでなく、世界各地にある習慣。クリスマスも、ヨーロッパの冬至のお祭が元だったと言われているほどです。日本よりも緯度の高く冬の厳しいヨーロッパでは、冬至を迎える喜びは、より大きかったものかもしれません。
今回作るヒンメリは、フィンランドで冬至に飾られる、麦わらのモビールです。冬至に飾ったら、翌年の冬至まで一年間飾って、新しいものと代えるのだとか。日本では稲わらでお正月のお飾りや注連縄をつくりますが、それにちょっと似ていますね。

10年ほど前に、造形作家のおおくぼともこさんが書かれたヒンメリの本『ヒンメリ フィンランドの伝統装飾』(プチグラパブリッシング)、ならびにおおくぼさんのヒンメリの作品展を見て、初めてヒンメリを知りました。それからというもの、大量に麦わらを手に入れて、夢中で大小の数々のヒンメリをつくった時期がありました。それらは今も部屋や玄関ポーチに吊るしてあり、ゆったりと揺れるのを眺めています。
今回冬至を迎えるにあたって、またヒンメリを久しぶりにつくってみました。やはりつくり始めると面白くって止まらない。つくっているなかで、平面でつなげていた三角が突然立体になるところは、何度作っても飽きない面白さです。
麦わらは手に入りにくいので、今回はストローを使っています。麦わらは、英語で「ストロー」。縦に裂けやすい麦わらは、作業の前に水に浸けるなどちょっと手数がかかりますが、ストローならもう少し手軽にできるのが魅力です。生成りの紙製ストロー、また、クリスマスカラーのストローを使っても季節感が出ていいですね。


ヒンメリの基本形は正八面体。これを大小作って縦につなげたり、小さく作った八面体を大きく作った八面体の角に下げたり、形のアレンジは無限大です。ストローの色、つなげる数や形などオリジナルなアイデアでつくってみてください。できあがったら、フィンランドの人たちがするように、食卓の上に吊るして冬至をお祝いするのも素敵です。

今年も一年間連載にお付き合いいただきまして、どうもありがとうございました。皆様の2022年はどんな一年でしたか? どうぞいいクリスマス、そしていいお年、新しい春をお迎えください。

平野恵理子
イラストレーター、エッセイスト
1961年静岡県生まれ。著書に『五十八歳、山の家で猫と暮らす』『歳時記おしながき』『こんな、季節の味ばなし』ほか多数。好きな季節は、季節の変わり目。現在は八ヶ岳南麓在住。
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