師走しわす

暦とならわし 2023.12.15

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今年も残りあと2週間ほど。「師走」も折り返しを迎えましたね。
大掃除に仕事納め、新しい年を迎える準備にと、毎年この時期になるとなにかと大忙し...という方も多いのではないでしょうか。

あぁ、師走。もう、師走。
「しわす」という三文字を聞くだけで、年末のバタバタ感が押し寄せてくるようです。

ところで「師走」って、「師」が「走る」と書きますが、どういう意味なのでしょうか?
調べてみると、この漢字は当て字といわれていて語源は諸説あることがわかりました。

一番有名なのが、師走の「師」は僧侶であるという説です。
12月になると各家庭で法事を行うので、師(僧侶)が東へ西へ忙しく走り回る。そのため、「師が馳(は)せる」から「しわす」になったのだとか。また、「師馳せ月」が誤って「師走」になったともいわれています。

そのほか「年が果てる」意味の「年果つ(としはつ)」が変化したとする説や、「四季の果てる月」を意味する「四極(しはつ)」からとする説。 「一年の最後になし終える」意味の「為果つ(しはつ)」からとする説などがあるそうです。

いずれも、1年の終わりや、慌ただしさを表した語源になっていますね。

毎年この時期になると感じることなのですが、師走になると街の雰囲気が大きく変わるような気がします。

紅葉の葉っぱはすっかり落ちて、木々は冬枯れの装いへ。
カラッと乾燥した空気のなかを、服を着込んだ人々が足早に通り過ぎていく。
吐く息の白さと、ときおりチラつく雪や霜が際立って、キンと冷えた空気が身体に沁みわたる。あらゆるところで、今年一年を締めくくる挨拶が交わされる。

もの寂しい雰囲気のなか、次の年へ向けた準備をそれぞれにしていく月。
仏教用語で「諸行無常」という言葉がありますが、まさに師走を表している四文字だなぁと思います。

ちなみに私は、毎年師走になるとやることがあります。
それは、「手帳に日記をつけること」です。

毎日少しずつつけているのですが、一年の終わりの月にはとくに、一年の振り返りをじっくりする時間をつくるようにしています。良かったことも、うまくいかなかったことも、おぼろげに思い出しながら、お世話になった人の顔を思い浮かべながら、今年一年を総括してみる。同じ日なんて決してないのだから、小さなことでも少しずつ進歩しているであろう自分をたっぷり褒め讃えてあげる。

そう考えると私にとって「師走」とは、走りながらも自分と向き合う時間を持つ、大切な月なのかもしれません。

今年もあとわずか。
それぞれにとっていい一年の締めくくりになりますよう、思い思いに師走を駆け抜けていきましょう。

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高根恭子

うつわ屋 店主・ライター
神奈川県出身、2019年に奈良市へ移住。
好きな季節は、春。梅や桜が咲いて外を散歩するのが楽しくなることと、誕生日が3月なので、毎年春を迎えることがうれしくて待ち遠しいです。奈良県生駒市高山町で「暮らしとうつわのお店 草々」をやっています。好きなものは、うつわ集め、あんこ(特に豆大福!)です。畑で野菜を育てています。

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