こんにちは。星空案内人の木原です。
本格的な夏に向けて、日も長くなってきましたね。地上が夏支度を始める一方で、夜空ではまだ春の星座がメインに輝いています。その中でも今回はマイナーな春の星座「からす座」のお話です。
からす座を初めて知った人も多いでしょう。星座の図鑑でも開かない限り、その名前を見る機会はないと思います。街中でからす座を見つけることも正直なかなかできません。真っ黒なあのカラスのように、夜の宙の黒さに溶け込んでいるのかもしれません。

からす座のモデルは、ギリシャ神話に出てくる太陽の神アポロンに仕えていたカラスです。現在の黒い羽根ではなく、黄金の羽を持つ美しい姿をしていました。カラスは人の言葉を話すことができたため、アポロンとアポロンの恋人の間を毎日行き来し、お互いの様子を伝える仕事をしていました。
ある日、恋人が青年と話す姿を見たカラスが、“浮気しているに違いない“と思い込み、そう伝えてしまいます。それを信じたアポロンは怒り、恋人を射殺したのです。青年は恋人の兄だったと知ったカラスは誤報を謝りましたが、アポロンの怒りの矛先はカラスに向けられ、罰として黄金の羽と人間の言葉を奪われ、真っ黒な姿に変えられ、宙にはりつけにされてしまいました。からす座で輝く4つの星は、カラスに打たれている釘が光っているといわれています。

悲運なからす座ですが、宙に星がどれくらい見えるか教えてくれる星座として役立ちます。からす座を形作る4つの星の明るさは3等星ほど。3等星の輝きはある程度暗い場所でないと見つけにくく、からす座が見えるかどうかで“ここはどれくらい星が見えそうかな”と、確認することができます。神様に仕えていた頃のように、星空の様子をからす座が伝えてくれているみたいです。
街明かりが宙を明るく照らしている場所では、からす座を見つけづらい場合がほとんど。オフィスビルの窓から漏れる明かり、繁華街の電飾やサーチライト、たくさんの地上の光が宙を照らします。さらに春の時期は霞がかかって宙全体がボヤっとした光に包まれることも少なくありません。

宙が白んで星が見えにくいと感じる夜は、私たちを包む大気の向こうに星たちが存在していることを想像してあげてください。そしていつか、星空が綺麗に見えるところに行って、星々の輝く姿を確かめてあげてください。きっと星たちが、守るべき宙の美しさを教えてくれると思います。

木原美智子
星空案内人
広島県出身。瀬戸内の宙を見て育ちました。好きな季節は、コスモスが咲き、凜とした空気が漂う秋。宙を見上げるのが好きなので、星だけじゃなく宙にあるもの、宙に関わる文化に興味があります。ペンギンと野球も好き。
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