こんにちは。星空案内人の木原です。
夏の星座の時期が終わり、宙は地上と同じく秋の装いです。明るい星が多くてにぎやかな夏や冬の宙とは違い、秋の星空には目立つ星は少なく、秋ならではの静かな雰囲気が漂っています。
街明かりがある場所では秋の星座たちの姿を見つけにくいため、馴染みのある星座が少ない季節かもしれませんが、秋はそれぞれの星座が物語を介してつながっていて、宙全体が本のような素敵な季節です。

今回は秋の星座のみずがめ座を中心に、それに関わるお話を紹介します。
みずがめ座を形作る星は4等星と5等星のみ。人間が肉眼で確認できる最も暗い星の明るさが6等級ですから、正直に言うと目立つ星座ではありません。そんな控えめに輝くみずがめ座を探す目印になるのが三ツ矢の形をした星の並びです。小さな野花のように、ちょこんと宙に輝く三ツ矢はなんとも可愛らしいです。

みずがめ座のモデルとなったのはギリシャ神話に出てくるガニメデ。
星座絵ではガニメデが抱える水瓶から水が流れ出るように描かれます。こんなにこぼしてしまって大丈夫かな、と心配になる勢いで水があふれてしまっているのですが、そのこぼれる水の流れを目で追っていくと、魚が大きな口を開いて流れ来る水を飲んでいる姿を見つけることができます。

この魚は「みなみのうお座」と言われ、口元では秋の宙で唯一の一等星フォーマルハウトがきらりと輝いています。
みなみのうお座は、ナイル川の畔で開かれていた神様の宴会に突然現れた怪物から、川へ逃げるためにある神様が変身した姿です。ちなみに、みずがめ座の隣にいるやぎ座やうお座も同じ宴会場にいた神様が川に逃げ入るために変身した姿。さらに、みずがめ座のガニメデもお酌係としてその場にいました。ガニメデは怪物に驚いて水瓶をひっくり返してしまったのでしょうか。
面白いことに、みずがめ座の周りには水にまつわる星座が集まっています。

宴会にお酌係として参加していたガニメデが持っていた水瓶の中身は、単なる水ではなく不老不死のお酒「ネクタル」と言われています。また、みずがめ座は英語で「Aquarius(アクエリアス)」と呼びます。ネクタルとアクエリアス、あるメーカーの飲料水の名前を連想させます。
さらに、みずがめ座の目印となる三ツ矢もとある清涼飲料水の名前に結び付くような気が・・・。
宙の世界だけでなく現実の世界でも、みずがめ座の周りには“水”にまつわるモノであふれているようです。


木原美智子
星空案内人
広島県出身。瀬戸内の宙を見て育ちました。好きな季節は、コスモスが咲き、凜とした空気が漂う秋。宙を見上げるのが好きなので、星だけじゃなく宙にあるもの、宙に関わる文化に興味があります。ペンギンと野球も好き。
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