冬のダイヤモンド

月と星 2021.02.10

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こんにちは。星空案内人の木原です。

宙の下で星空案内をしていると、「星がよく見える季節は冬ですか」と尋ねられることがあります。

星空の世界も四季ごとの魅力があるので、どの季節が「一番良い」とは一概には言えませんが、確かに冬の時期は空気が澄んでいるため星の輝きが普段より強いな、と感じます。

そのうえ、冬は明るい1等星を他の季節よりも多く見ることができます。私たちが普段暮らしている街中でもパッと目につく星が多いため、「冬は星がよく(多く)見える」と印象付いているのかもしれません。

暦の上では春を迎える時期になりましたが、宙では冬の星々がまだまだ主役の座にいます。

20時頃に南の宙を見上げると、明るい星を7つ見つけることができます。これらの星はぜんぶ冬の星座の1等星です。

画像提供:国立天文台

オリオン座のベテルギウスとおおいぬ座のシリウス、こいぬ座のプロキオンを結んで出来る冬の大三角は、知っている人もいるのではないでしょうか。

冬の大三角のシリウス、プロキオンから宙の高い方へ時計回りに、ふたご座のポルックス、ぎょしゃ座のカペラ、おうし座のアルデバラン、オリオン座のリゲルと結ぶこともできます。

この6つの星を結んでできる大きな六角形は「冬のダイヤモンド」と呼ばれています。ダイヤモンドという名前の通り、都会の宙でも分かるほど強く輝き、冬の宙を華やかにしてくれる星の並びです。

画像提供:国立天文台

「冬のダイヤモンド」は日本のプラネタリウムや科学館など星空のことを教えてくれる場所では必ずと言っていいほど耳にする言葉です。しかし、この「冬のダイヤモンド」を一般的に使っているのは日本だけ。海外では別の呼び方で親しまれています。

例えば、7つの星を全部結ぶとアルファベットの「G」の形になります。海外ではこのGの方が有名で、「ビッグG」や「ジャイアントG」と言われているようです。

他にもカペラ、アルデバラン、ベテルギウス、リゲル、シリウスを結んで「W」の形に見立て、「ウインター(Winter)のW」と呼ぶところもあるそうです。

世界共通の認識として星座は88つと定められていますが、実際の星空では星座線なんて見えません。星をどのように結んで何に見立てて楽しむかは私たちの自由。地域によって星の結び方が異なることを知ると、宙の見方が広がります。

今回ご紹介した7つの明るい冬の星を、皆さんならどんな風に結んで、何に見立てて楽しみますか?自分だけの星結びを楽しんでみてください。

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木原美智子

星空案内人
広島県出身。瀬戸内の宙を見て育ちました。好きな季節は、コスモスが咲き、凜とした空気が漂う秋。宙を見上げるのが好きなので、星だけじゃなく宙にあるもの、宙に関わる文化に興味があります。ペンギンと野球も好き。

そらと

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